因数分解¶
因数分解は展開の逆です。和の形の式を、かけ算(積)の形に書き直します。
かけられている1つ1つ(\(x+2\) や \(x+3\))を因数といいます。
1. 手順は「共通因数 → 公式 → たすき掛け」¶
因数分解の順序
- 共通因数をかっこの外にくくり出す(これを飛ばす人がとても多い)
- 項の数と形から公式が使えるか見る
- \(x^2\) の係数が \(1\) でなければたすき掛け
- かっこの中がまだ分解できないか、最後に確認する
共通因数¶
数の部分は最大公約数、文字は共通する最低次数まで取り出します。
2. 公式の逆¶
因数分解の公式
見分け方¶
| 式の形 | 使う公式 |
|---|---|
| 2乗 − 2乗 | \(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\) |
| 3項で、両端が2乗、真ん中が \(2\times\)(2乗の元のかけ算) | 完全平方 \((a\pm b)^2\) |
| \(x^2+px+q\) | たして \(p\)、かけて \(q\) の2数を探す |
例題1¶
\(9x^2-24xy+16y^2\) を因数分解しなさい。
解説
両端が \((3x)^2\) と \((4y)^2\)。真ん中が \(2\cdot3x\cdot4y=24xy\) と一致するので完全平方です。
例題2¶
\(x^4-16\) を因数分解しなさい。
解説
ここで止めないこと。\(x^2-4\) はまだ分解できます。
最後まで分解する
「これ以上分解できないか」を必ず確認します。\(x^2+4\) は実数の範囲では分解できません。
3. たすき掛け¶
\(acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)\) を逆にたどります。
手順
- \(x^2\) の係数を \(a\times c\) に分ける
- 定数項を \(b\times d\) に分ける
- たすきにかけた \(ad+bc\) が \(x\) の係数になる組を探す
例題3¶
\(6x^2-x-12\) を因数分解しなさい。
解説
\(x^2\) の係数 \(6\) を \(3\times2\)、定数項 \(-12\) を \(2\times(-6)\) と分けて試します。
次に \(-12\) を \(4\times(-3)\) と分けます。
検算として展開すると \(6x^2-9x+8x-12=6x^2-x-12\)。合っています。
たすき掛けは検算までがセット
候補が多いときほど、展開して元に戻るかを必ず確かめます。下のラボで「たして・かけて」の探し方を練習できます。
4. 置き換えを使う¶
同じかたまりが見えたら、文字でおきかえます。
例題4¶
\((x+y)^2-4(x+y)-12\) を因数分解しなさい。
解説
\(x+y=A\) とおくと、
最後に必ず元の文字に戻します。
例題5(複2次式)¶
\(x^4-5x^2+4\) を因数分解しなさい。
解説
\(x^2=A\) とおくと \(A^2-5A+4=(A-1)(A-4)\)。
5. 1文字について整理する¶
文字が2種類以上あって公式が見えないときは、いちばん次数の低い文字について降べきの順に並べ替えます。
例題6¶
\(x^2+xy-2x-y+1\) を因数分解しなさい。
解説
\(y\) は1次なので、\(y\) について整理します。
共通因数 \(x-1\) が現れました。
迷ったら次数の低い文字で整理
次数が低いほど、共通因数が見つけやすくなります。これは高校でくり返し使う定石です。
練習問題¶
- \(4a^2b-6ab^2\)
- \(x^2-12x+36\)
- \(25x^2-49y^2\)
- \(x^2-2x-15\)
- \(3x^2+11x+6\)
- \(2x^2-7xy+3y^2\)
- \((a-b)^2-9\)
- \(x^4-13x^2+36\)
- \(a^2+ab-2a-2b\)
答えと解説
1. 共通因数 \(2ab\)。\(\;=2ab(2a-3b)\)
2. \(=(x-6)^2\)
3. \(=(5x+7y)(5x-7y)\)
4. たして \(-2\)、かけて \(-15\) は \(3\) と \(-5\)。\(\;=(x+3)(x-5)\)
5. \(3=3\times1\)、\(6=2\times3\)。\(3\cdot3+1\cdot2=11\) より \(\;=(3x+2)(x+3)\)
6. \(y\) を数のように見て \(2=2\times1\)、\(3=(-1)\times(-3)\)。
7. \(a-b=A\) とおくと \(A^2-9=(A+3)(A-3)\)。
8. \(x^2=A\) とおくと \(A^2-13A+36=(A-4)(A-9)\)。
9. \(b\) について整理すると \((a-2)b+(a^2-2a)=(a-2)b+a(a-2)\)。
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- 3. 実数と平方根 — 数の世界を広げ、絶対値と根号を扱う