二次関数のグラフ¶
二次関数の問題は、ほとんどが 「平方完成して頂点を出す」 ところから始まります。逆にいえば、平方完成さえ確実にできれば、グラフ・最大最小・方程式・不等式はすべて同じ入口でつながります。
1. 用語をそろえる¶
\(y=ax^2+bx+c\)(\(a \neq 0\))の形で表される関数を \(x\) の二次関数といいます。
| 用語 | 意味 | 例:\(y=x^2-4x+1\) |
|---|---|---|
| 放物線 | 二次関数のグラフがえがく曲線 | 下に開いた U 字 |
| 頂点 | 放物線の折り返し点 | \((2,\,-3)\) |
| 軸 | 頂点を通る、グラフの対称軸 | 直線 \(x=2\) |
| 下に凸 | \(a>0\) のとき。下がとがった \(\cup\) の形 | \(a=1>0\) なので下に凸 |
| 上に凸 | \(a<0\) のとき。上がとがった \(\cap\) の形 | — |
\(a\) が 0 だと二次関数ではない
\(a=0\) にすると \(y=bx+c\) となり、ただの一次関数(直線)になります。 「\(a \neq 0\)」は二次関数の定義に必ずついてくる条件です。
2. \(y=ax^2\) の形¶
もっとも基本の形が \(y=ax^2\) です。頂点は原点 \((0,\,0)\)、軸は \(y\) 軸(直線 \(x=0\))。
\(a\) は「開き具合」と「向き」の担当
- \(a\) の符号:正なら下に凸、負なら上に凸
- \(a\) の絶対値:大きいほど細く(急に)なる
\(y=-2x^2\) は \(y=2x^2\) を \(x\) 軸について折り返したグラフです。
3. 平行移動すると \(y=a(x-p)^2+q\)¶
\(y=ax^2\) のグラフを \(x\) 軸方向に \(p\)、\(y\) 軸方向に \(q\) だけ平行移動すると
となり、頂点は \((p,\,q)\)、軸は直線 \(x=p\) になります。
かっこの中の符号に注意
\(y=(x+3)^2\) の頂点は \((3,\,0)\) ではなく \(\boldsymbol{(-3,\,0)}\) です。 \((x-p)\) の形に直して読むので、\(x+3=x-(-3)\) より \(p=-3\)。 「かっこの中が 0 になる \(x\)」が頂点の \(x\) 座標、と覚えると間違えません。
4. 平方完成の手順¶
\(y=ax^2+bx+c\) を \(y=a(x-p)^2+q\) に直すことを平方完成といいます。
3ステップ
- \(x^2\) と \(x\) の項を、\(x^2\) の係数 \(a\) でくくる
- かっこの中で、\(x\) の係数の半分を 2 乗して足し、同じだけ引く
- かっこの外を整理する
よって頂点 \((2,\,-3)\)、軸は \(x=2\)。
くくった数を掛け忘れない
上の③で \(-2^2=-4\) を外に出すときは、\(a=2\) を掛けて \(-8\) になります。 ここで \(-4\) のまま出してしまうのが、平方完成でいちばん多いミスです。
下のラボで \(a,\,b,\,c\) を動かすと、平方完成の途中式・頂点・平行移動の矢印が同時に変わります。\(b\) だけを動かすと頂点が放物線をえがいて動くことも確かめてみましょう。
例題1¶
\(y=x^2+6x+5\) の頂点と軸を求めなさい。
解説
\(x\) の係数 \(6\) の半分は \(3\) なので
頂点 \((-3,\,-4)\)、軸は直線 \(x=-3\)。
例題2¶
\(y=-x^2+4x-1\) の頂点と軸を求め、グラフの向きを答えなさい。
解説
\(x^2\) の係数は \(-1\) なので、まず \(-1\) でくくります。
頂点 \((2,\,3)\)、軸は \(x=2\)、\(a=-1<0\) なので上に凸。
くくり出した \(-1\) を中かっこ全体に掛けるので、\(-(-4)=+4\) と符号が変わります。
例題3¶
\(y=2x^2-6x+1\) の頂点を求めなさい。
解説
頂点 \(\left(\dfrac32,\,-\dfrac72\right)\)。分数が出ても手順は同じです。
例題4¶
\(y=x^2\) のグラフを \(x\) 軸方向に \(-2\)、\(y\) 軸方向に \(5\) だけ平行移動した放物線の式を求めなさい。
解説
\(p=-2,\,q=5\) なので
展開すれば \(y=x^2+4x+9\) です。どちらの形で答えてもかまいませんが、頂点を聞かれたら \((-2,\,5)\)。
5. グラフのかき方¶
4点そろえば形が決まる
- 頂点(平方完成で求める)
- 軸(頂点を通る縦線)
- \(y\) 軸との交点:\(x=0\) を代入して \(y=c\)
- \(x\) 軸との交点:\(y=0\) とおいて二次方程式を解く(ないこともある)
\(y=x^2-4x+1\) なら、頂点 \((2,\,-3)\)、\(y\) 軸との交点 \((0,\,1)\)。軸 \(x=2\) について対称なので、\((4,\,1)\) も通ります。
対称性を使えば計算が半分になる
軸 \(x=p\) について左右対称なので、\(x=p-k\) と \(x=p+k\) の \(y\) は等しい。 1点計算すれば、その鏡うつしの点がタダで手に入ります。
練習問題¶
- \(y=x^2-2x-3\) を平方完成し、頂点と軸を求めなさい。
- \(y=x^2+5x\) の頂点を求めなさい。
- \(y=-2x^2+8x-5\) の頂点を求め、グラフの向きを答えなさい。
- \(y=3x^2+6x+4\) の頂点を求めなさい。
- \(y=2(x-1)^2+3\) は \(y=2x^2\) をどのように平行移動したものか答えなさい。
- 頂点が \((-1,\,4)\) で、点 \((1,\,0)\) を通る放物線の式を求めなさい。
- \(y=x^2-6x+7\) のグラフが \(y\) 軸と交わる点と、軸について対称なもう1つの点を求めなさい。
答えと解説
1. \(y=(x-1)^2-4\)。頂点 \((1,\,-4)\)、軸 \(x=1\)。
2. \(y=\left(x+\dfrac52\right)^2-\dfrac{25}{4}\) より頂点 \(\left(-\dfrac52,\,-\dfrac{25}{4}\right)\)。定数項がなくても手順は同じです。
3. \(y=-2(x^2-4x)-5=-2\{(x-2)^2-4\}-5=-2(x-2)^2+3\)。頂点 \((2,\,3)\)、\(a<0\) なので上に凸。
4. \(y=3(x^2+2x)+4=3\{(x+1)^2-1\}+4=3(x+1)^2+1\)。頂点 \((-1,\,1)\)。
5. \(x\) 軸方向に \(1\)、\(y\) 軸方向に \(3\) だけ平行移動したもの。
6. 頂点がわかっているので \(y=a(x+1)^2+4\) とおく。\((1,\,0)\) を代入して \(0=4a+4\) より \(a=-1\)。 よって \(y=-(x+1)^2+4\)(展開すると \(y=-x^2-2x+3\))。
7. \(x=0\) を代入して \((0,\,7)\)。軸は \(y=(x-3)^2-2\) より \(x=3\) なので、対称な点は \(x=6\) の \((6,\,7)\)。
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- 2. 最大値と最小値 — 定義域がつくと、頂点だけでは答えが決まらない
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