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二次方程式と判別式

「二次方程式を解く」と「グラフが \(x\) 軸と交わる点を求める」は、まったく同じことです。判別式 \(D\) は、その交点が何個あるかを、解かずに教えてくれる道具です。

1. 解き方は 2 つ

方法 使う場面 例
因数分解 整数でうまく分解できるとき \(x^2-5x+6=0 \Rightarrow (x-2)(x-3)=0\)
解の公式 分解できない・自信がないとき いつでも使える

解の公式

\(ax^2+bx+c=0\)(\(a \neq 0\))の解は

\[x=\frac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}\]

\(x\) の係数が偶数 \(b=2b'\) のときは

\[x=\frac{-b' \pm \sqrt{b'^2-ac}}{a}\]

が使えて、計算がぐっと軽くなります。

解の公式は平方完成から作られている

\(ax^2+bx+c=0\) の両辺を \(a\) で割って平方完成すると

\[\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2=\frac{b^2-4ac}{4a^2}\]

となり、平方根をとれば公式そのものです。公式も平方完成の言いかえにすぎません。

2. 判別式 \(D\)

根号の中身 \(b^2-4ac\) を判別式といい、\(D\) で表します。

\(D\) の符号 実数解 グラフと \(x\) 軸
\(D>0\) 異なる 2 つの実数解 異なる 2 点で交わる
\(D=0\) ただ 1 つの解(重解) 1 点で接する(頂点が \(x\) 軸上)
\(D<0\) 実数解なし 共有点をもたない

\(D\) の計算でよくあるミス

  • \(b\) が負のとき \(b^2\) の符号を落とす:\(b=-3\) なら \(b^2=9\)(\(-9\) ではない)
  • \(c\) が負のとき \(-4ac\) の符号:\(a=1,\,c=-2\) なら \(-4ac=+8\)
  • \(D\) と \(\dfrac{D}{4}\) を混ぜて使う(どちらか一方に統一する)

下のラボで \(c\) をゆっくり動かすと、\(D\) の符号が変わる瞬間=グラフが \(x\) 軸に接する瞬間が見つかります。解も根号のまま表示されるので、公式の答え合わせにも使えます。

例題1

\(x^2-5x+6=0\) を解きなさい。

解説

かけて \(6\)、たして \(-5\) になる 2 数は \(-2,\,-3\)。

\[(x-2)(x-3)=0 \quad \Rightarrow \quad x=2,\,3\]

因数分解できるときは、公式より速く確実です。

例題2

\(2x^2-4x-1=0\) を解きなさい。

解説

\(b=-4\) は偶数なので \(b'=-2\) を使います。\(a=2,\,c=-1\) より

\[x=\frac{2 \pm \sqrt{(-2)^2-2 \cdot (-1)}}{2}=\frac{2 \pm \sqrt6}{2}\]

\(\sqrt6\) はこれ以上簡単にできないので、このままが答えです。

例題3

\(x^2-6x+9=0\) を解き、グラフと \(x\) 軸の関係を答えなさい。

解説

\(D=(-6)^2-4 \cdot 1 \cdot 9=0\) なので重解。

\[(x-3)^2=0 \quad \Rightarrow \quad x=3\]

\(y=x^2-6x+9=(x-3)^2\) の頂点は \((3,\,0)\) で \(x\) 軸上にあり、グラフは \(x\) 軸に接します。

例題4

\(y=x^2-4x+m\) のグラフが \(x\) 軸と接するとき、定数 \(m\) の値を求めなさい。

解説

接する ⟺ \(D=0\)。

\[D=(-4)^2-4 \cdot 1 \cdot m=16-4m=0 \quad \Rightarrow \quad m=4\]

このとき \(y=(x-2)^2\) で、接点は \((2,\,0)\)。

例題5

\(y=x^2+2x+m\) のグラフが \(x\) 軸と異なる 2 点で交わるような \(m\) の範囲を求めなさい。

解説

\(D>0\) であればよいので

\[D=2^2-4m=4-4m>0 \quad \Rightarrow \quad m<1\]

\(m<1\)。\(m=1\) のときは接し、\(m>1\) のときは共有点がありません。

3. グラフと直線の共有点

放物線と直線の共有点も、連立して \(y\) を消すと二次方程式になり、同じ判別式で調べられます。

例題6

放物線 \(y=x^2\) と直線 \(y=2x+m\) が接するときの \(m\) を求めなさい。

解説

\(y\) を消去して

\[x^2=2x+m \quad \Rightarrow \quad x^2-2x-m=0\]

接する ⟺ \(D=0\) より

\[D=(-2)^2-4 \cdot 1 \cdot (-m)=4+4m=0 \quad \Rightarrow \quad m=-1\]

このとき \(x^2-2x+1=(x-1)^2=0\) で、接点は \((1,\,1)\)。

「接する」と言われたら \(D=0\)

  • 異なる 2 点で交わる → \(D>0\)
  • 接する → \(D=0\)
  • 共有点なし → \(D<0\)

この 3 行だけで、「交点の個数」を聞く問題はすべて処理できます。

練習問題

  1. \(x^2+x-12=0\) を解きなさい。
  2. \(3x^2-5x+1=0\) を解きなさい。
  3. \(x^2-4x+7=0\) の実数解の個数を答えなさい。
  4. \(y=x^2-2x-3\) のグラフと \(x\) 軸の交点の座標を求めなさい。
  5. \(y=2x^2+4x+m\) が \(x\) 軸に接するときの \(m\) を求めなさい。
  6. \(y=x^2-2mx+4\) が \(x\) 軸と共有点をもたないような \(m\) の範囲を求めなさい。
  7. 放物線 \(y=x^2-3x\) と直線 \(y=x+m\) が異なる 2 点で交わるような \(m\) の範囲を求めなさい。
答えと解説

1. かけて \(-12\)、たして \(1\) は \(4\) と \(-3\)。\((x+4)(x-3)=0\) より \(x=-4,\,3\)。

2. \(D=25-12=13\) より \(x=\dfrac{5 \pm \sqrt{13}}{6}\)。

3. \(D=16-28=-12<0\) なので実数解なし(0 個)。

4. \(x^2-2x-3=(x+1)(x-3)=0\) より \((-1,\,0)\) と \((3,\,0)\)。

5. \(D=16-8m=0\) より \(m=2\)。(\(D/4=4-2m=0\) としても同じ。)

6. \(D=(-2m)^2-16=4m^2-16<0\) より \(m^2<4\)、よって \(-2<m<2\)。

7. 連立して \(x^2-3x=x+m\)、つまり \(x^2-4x-m=0\)。 \(D=16+4m>0\) より \(\boldsymbol{m>-4}\)。

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