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令和8年度 都立高校入試 社会

都立高校入試過去問に挑戦!

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検査時間 50分 / 100点満点 / 大問6題・全20問

以下は全20問の問題と解説です。各問題の下にある「解答・解説」をタップすると、答えと考え方が開きます。

大問 内容 配点
1 小問集合 15点
2 世界地理 15点
3 日本地理 15点
4 歴史(道具) 20点
5 公民(財政) 20点
6 国際社会 15点

大問1 小問集合

〔問1〕(5点)

資料は、埼玉県行田市の様子を地域調査の発表用としてまとめたものの一部である。
ア〜エは、2019年の「国土地理院発行2万5千分の1地形図(熊谷)」の一部を拡大して作成した地形図上に●で示したA点から、B点、C点の順に、D点まで移動した経路を太線で示したものである。
資料で示された地域に当てはまるのは、ア〜エのうちではどれか。

埼玉県行田市の様子を地域調査の発表用としてまとめた資料
ア〜エの資料。2019年の地形図上のいずれかの地点の様子を示している
行田市の資料と、ア〜エの資料
  • ア地形図ア(A→B→C→Dの経路が示されている)
  • イ地形図イ(A→B→C→Dの経路が示されている)
  • ウ地形図ウ(A→B→C→Dの経路が示されている)
  • エ地形図エ(A→B→C→Dの経路が示されている)
解答・解説

答え エ 地形図エ(A→B→C→Dの経路が示されている)

資料には、C点からD点までの道順が距離と方角つきで書かれています。
・C点から進行方向へ約190m
・交差点を西へ曲がって約160m
・さらに交差点を北へ曲がって約250m → 郵便局の前がD点

2万5千分の1の地形図では、実際の250mは地図上で1cmにあたります(250m ÷ 25000 = 1cm)。この長さと曲がる向き、そしてD点が郵便局(〒の記号)の前にあることのすべてを満たすのがエです。

コツ:地形図の問題は、距離(縮尺で換算)・方角(上が北)・地図記号の3つを順に確かめると絞り込めます。

〔問2〕(5点)

次の文で述べている人物に当てはまるのはどれか。

「親藩であり、尾張家、水戸家とともに御三家の一つである紀伊家から将軍になり、幕府の財政の立て直しのため、質素・倹約を掲げて支出を抑えるとともに、新田の開発を進めるなど収入を増やそうとし、人々の意見を聞く目安箱を設置するなど、一連の改革を行った。」

  • ア徳川慶喜
  • イ徳川吉宗
  • ウ松平定信
  • エ水野忠邦
解答・解説

答え イ 徳川吉宗

紀伊家から将軍となり、目安箱を設置し、新田開発を進めたのは徳川吉宗です。この一連の改革を享保の改革(1716年〜)といいます。

ほかとのちがい:
ア 徳川慶喜…江戸幕府最後の将軍。大政奉還を行った
ウ 松平定信…寛政の改革を行った老中(将軍ではありません)
エ 水野忠邦…天保の改革を行った老中(将軍ではありません)

コツ:江戸の三大改革は「享保=吉宗」「寛政=松平定信」「天保=水野忠邦」。将軍が行ったのは享保の改革だけです。

〔問3〕(5点)

次の文章で述べている役割を担う者に当てはまるのはどれか。

「犯罪が発生した場合に、捜査や取り調べにより証拠を集めて事件の解明を行い、被疑者を被告人として裁判所に起訴する。刑事裁判では、証拠を基に被告人の有罪を主張して刑罰を求め、裁判で有罪となった場合は刑の執行を指揮・監督する。」

  • ア裁判官
  • イ弁護人
  • ウ検察官
  • エ裁判員
解答・解説

答え ウ 検察官

被疑者を起訴し、刑事裁判で有罪を主張するのは検察官です。

刑事裁判の登場人物:
ア 裁判官…中立の立場で審理し、判決を下す
イ 弁護人…被告人の利益を守る立場で弁護する
ウ 検察官…起訴し、有罪を主張する
エ 裁判員…重大な刑事事件の第一審で、国民から選ばれて裁判官とともに審理する

コツ:刑事裁判は「検察官 対 被告人(弁護人)」、民事裁判は「原告 対 被告」と、対立の構図で整理しましょう。


大問2 世界地理

世界の略地図です。〔問1〕〜〔問3〕はこの略地図について答えます。A〜Dは都市、W〜Zは国を表します。

世界の略地図。都市A〜Dと、国W〜Zが示されている

〔問1〕(5点)

Ⅰの文章は、略地図中にA〜Dで示したいずれかの都市を含む国の自然環境と食文化についてまとめたものである。Ⅱのア〜エのグラフは、略地図中のA〜Dのいずれかの都市の、年平均気温と年降水量及び各月の平均気温と降水量を示したものである。
Ⅰの文章で述べている国の都市に当てはまるのは略地図中のA〜Dのうちのどれか、また、その都市のグラフに当てはまるのはⅡのア〜エのうちのどれか。

Ⅰ 二つの大陸に挟まれた東西約3800kmに及ぶ海に面し、国土の約8割は大陸から伸びる半島にあり、約2割は多くの島々からなる。小麦から作るパンを日常的に食し、冬に比べて夏に乾燥する気候を生かして栽培する果物、近海で獲る魚介類、丘陵地で育てる羊の肉や乳製品など、多様な食材を使う食文化が形成されている。

解答・解説

答え 略地図のA〜D C Ⅱのア〜エ イ

国・都市(C):「二つの大陸(ヨーロッパとアフリカ)に挟まれた東西約3800kmの海」は地中海です。国土の約8割が半島、約2割が島々からなり、パン・果物・魚介・羊を食べる国はギリシャ。略地図のCがあてはまります。

グラフ(イ):地中海性気候の特徴は「夏に高温・乾燥、冬に比較的降水が多い」ことです。Ⅱの中で、夏の降水量が少なく冬に多いのがイ(年平均気温18.9℃、年降水量375.9mm)。

ほかのグラフ:アは年降水量62.8mmと極端に少ない乾燥帯。ウは年平均気温11.4℃で、夏に降水が多い温帯。エは年平均気温5.3℃と低い冷帯です。

〔問2〕(5点)

表のア〜エは、略地図中に色をつけて示したP〜Sのいずれかの国の、2023年におけるとうもろこしの生産量、とうもろこしの生産や消費の様子についてまとめたものである。
略地図中のP〜Sのそれぞれの国に当てはまるのは、表のア〜エのうちではどれか。

解答・解説

答え P エ Q イ R ア S ウ

決め手になる言葉から国を特定します。
P(ブラジル)=エ:大豆やコーヒー豆の輸出国で、中西部の高原(セラード)で企業的に生産。生産量13195万tと最大で、バイオエタノールの原料にも使われます。
Q(カナダ)=イ:世界で2番目に広い面積の国。中南部の湖周辺の大規模農場で、家畜の飼料として生産。
R(ケニア)=ア:高地で栽培する茶や切り花の輸出国。小規模農場で自給用に生産し、粉にして湯で練り上げる主食(ウガリ)。
S(フランス)=ウ:1993年に発足した組織=EU(ヨーロッパ連合)の加盟国。他の加盟国へも飼料として供給しています。

コツ:面積の広い国は「ロシア→カナダ→アメリカ→中国→ブラジル」の順。覚えておくと役立ちます。

〔問3〕(5点)

Ⅰの表のア〜エは、略地図中に示したW〜Zのいずれかの国の、2010年と2023年における人口、米の生産量、国民総所得、日本の政府開発援助の贈与額、日系現地法人数を示したものである。Ⅱの文章は、Ⅰの表のア〜エのいずれかの国について述べたものである。
Ⅱの文章で述べている国に当てはまるのはⅠの表のア〜エのうちのどれか、また、略地図中のW〜Zのうちのどれか。

Ⅱ この国は、1960年にイギリスから独立した後、石油資源に依存する経済が続いている。急激な人口増加に伴う食料の安定的な確保に向け、2011年から2016年にかけて日本の国際協力機関によって米の品質向上のための技術支援が行われた。2010年に比べて2023年では人口が1.2倍以上になり、主食である米の生産量は増えたが、国民総所得は横ばいである。また、日本による贈与での政府開発援助が引き続き行われ、2010年に比べて2023年では、日系現地法人数が約2倍となるなど、時差が8時間ある日本とは相互の依存関係が深まっている。

解答・解説

答え Ⅰの表のア〜エ ア 略地図のW〜Z Z

表(ア):Ⅱの条件を表で確かめます。
・人口:16664万人 → 22788万人(約1.37倍で1.2倍以上)✓
・米の生産量:322万t → 890万t(増えた)✓
・国民総所得:3476億ドル → 3441億ドル(ほぼ横ばい)✓
・日系現地法人数:9 → 19(約2倍)✓
すべて満たすのはアです。

国(Z):1960年にイギリスから独立し、石油に依存する経済の国はナイジェリア。
時差8時間から経度差を計算すると
\(15° \times 8 = 120°\)
日本の標準時子午線は東経135°なので、\(135 - 120 = 15°\)。東経15度付近にあり、略地図のZ(アフリカ西部)と合います。


大問3 日本地理

日本の略地図です。〔問1〕〜〔問3〕はこの略地図について答えます。A〜Dは県を表します。

日本の略地図。県A〜Dが色つきで示されている

〔問1〕(5点)

表のア〜エの文章は、略地図中に色をつけて示したA〜Dのいずれかの県の、自然環境と県庁所在地の様子についてまとめたものである。
A〜Dのそれぞれの県に当てはまるのは、表のア〜エのうちではどれか。

解答・解説

答え A イ B エ C ア D ウ

県庁所在地の特徴が決め手です。
A = イ:東部に南北方向の山脈(奥羽山脈)、河川が北流後に西へ向かい海に注ぐ。県庁所在地は内陸で、夏は避暑地・冬はスキー場となる山がある。
B = エ:東・西・北を山地に囲まれ、中央部から南部に平野が広がる。県庁所在地は内陸で、高速道路が通り日本最大規模の工業団地がある。
C = ア:南部に東西方向の山地、南西部にリアス海岸。県庁所在地は沿岸部で、明治時代の小説(『坊っちゃん』)に登場する日本最古といわれる温泉(道後温泉)がある。
D = ウ:山がちで平坦地に乏しく、複雑な海岸線と北部のリアス海岸。県庁所在地は沿岸部で、江戸時代末に開港し異国情緒あふれる町並(長崎)。

〔問2〕(5点)

表のア〜エは、七地方区分における東北地方、中部地方、近畿地方、九州地方のいずれかの地方の、2024年における人口100万人以上の都市の数、政令指定都市の数、最も人口が多い都市の様子についてまとめたものである。
中部地方に当てはまるのは、ア〜エのうちではどれか。

ア 人口100万人以上の都市:1/政令指定都市:4/最も人口が多い都市は、この地方の南西部に位置し、2024年の人口は230万人、人口密度は7037.5人/km²。
イ 1/4/この地方の中央部に位置し、人口276万人、人口密度12238.2人/km²。
ウ 1/3/この地方の北部に位置し、人口159万人、人口密度4640.6人/km²。
エ 1/1/この地方の南東部に位置し、人口107万人、人口密度1356.1人/km²。

  • アア(最も人口が多い都市は南西部・230万人)
  • イイ(最も人口が多い都市は中央部・276万人)
  • ウウ(最も人口が多い都市は北部・159万人)
  • エエ(最も人口が多い都市は南東部・107万人)
解答・解説

答え ア ア(最も人口が多い都市は南西部・230万人)

中部地方で最も人口が多い都市は名古屋市(約230万人)です。名古屋市は中部地方の南西部に位置します。政令指定都市は名古屋市・静岡市・浜松市・新潟市の4つ。これらがすべて合うのはア。

ほかの地方:
イ=近畿地方(大阪市276万人、中央部、政令指定都市は大阪・京都・神戸・堺の4つ)
ウ=九州地方(福岡市159万人、北部、政令指定都市は福岡・北九州・熊本の3つ)
エ=東北地方(仙台市107万人、南東部、政令指定都市は仙台のみ)

コツ:人口密度が低いエは、広い面積に人口が散らばる東北地方だと見当がつきます。

〔問3〕(5点)

Ⅰの文は、2014年に群馬県高崎市が発表した「第2期高崎市中心市街地活性化基本計画」の一部をまとめたものである。ⅡとⅢの地形図は、1997年と2019年の「国土地理院発行2万5千分の1地形図(高崎)」の一部を拡大して作成したものである。
Ⅰ〜Ⅲの資料から読み取れる、1997年と比較した2019年における太線で囲まれた範囲の土地利用の変化について、2019年における太線で囲まれた範囲に整備された施設の共通点に着目して、簡単に述べなさい。

Ⅰ 中心市街地活性化の仕掛けとして、高崎市内外から人を呼び込むための集客施設である高崎アリーナ(新体育館)や高崎芸術劇場(高崎文化芸術ホール)などを整備する。

群馬県高崎市の1996年と2023年の地形図。工場跡と駐車場跡の変化が読み取れる
ⅡとⅢの地形図(高崎市)
解答・解説

答え 記述問題(自分で書いてから、下の解説と見くらべましょう)

正答例
高崎市内外から人を呼び込むための集客施設として、工場であった場所に高崎アリーナが、駐車場であった場所に高崎芸術劇場が建てられた。

資料を順に読み取ります。
Ⅱ(1997年)…太線の範囲には工場と駐車場がありました。
Ⅲ(2019年)…同じ場所に高崎アリーナと高崎芸術劇場が建っています。
Ⅰ…この2つの施設の共通点は「高崎市内外から人を呼び込むための集客施設」であることです。

答えには、変化の前後(工場・駐車場 → アリーナ・劇場)と、共通点(集客施設)の両方を入れます。

自分で確かめるポイント

  • 「集客施設」という共通点を書けているか
  • 工場だった場所に高崎アリーナが建てられたことを書けているか
  • 駐車場だった場所に高崎芸術劇場が建てられたことを書けているか

大問4 歴史(道具)

〔問1〕(5点)

次のア〜エは、飛鳥時代から鎌倉時代にかけて、もたらされた道具や信仰について述べたものである。時期の古いものから順に記号を並べなさい。

ア 新たに即位した天皇により都が平安京に移された後、空海は唐から仏具や曼荼羅をもたらし、真言宗の教えを広めるため金剛峯寺を建立した。
イ 大宝律令が制定され、律令に基づく政治が展開される中で、鑑真は来日して仏画などをもたらすとともに、僧が守るべき規律を伝えるために唐招提寺を建立した。
ウ 大陸からもたらされた仏像などをきっかけに仏教文化が飛鳥を中心に広まる中で、聖徳太子(厩戸皇子)は法隆寺を建立した。
エ 武家政権である幕府による政治が展開される中で、宋から禅宗と経典をもたらした栄西は京都に建仁寺を建立した。

解答・解説

答え 1番目 ウ 2番目 イ 3番目 ア 4番目 エ

人物と寺から時代を決めて並べます。
ウ(飛鳥時代)…聖徳太子が法隆寺を建立(607年ごろ)。現存する世界最古の木造建築です。
↓
イ(奈良時代)…鑑真が唐招提寺を建立(759年)。大宝律令は701年。
↓
ア(平安時代初め)…都が平安京に移った(794年)後、空海が金剛峯寺を建立(816年)。
↓
エ(鎌倉時代)…栄西が建仁寺を建立(1202年)。宋から禅宗を伝えました。

よって ウ → イ → ア → エ。
コツ:仏教の流れは「飛鳥=聖徳太子」「奈良=鑑真・東大寺」「平安初め=最澄(天台宗)・空海(真言宗)」「鎌倉=禅宗(栄西・道元)と新仏教」と整理しましょう。

〔問2〕(5点)

次のア〜エは、室町時代から江戸時代にかけての、政治などに関する主な出来事について述べたものである。略地図中のA〜Dは、ア〜エのいずれかの出来事が起こった場所を示したものである。
ア〜エについて、出来事が起こった時期の古いものから順に記号を並べなさい。また、略地図中のBに当てはまるのは、ア〜エのうちではどれか。

ア 戦場で材木を組んで防御施設を築くなど、戦い方に変化が見られる中で、将軍家の跡継ぎ争いや、細川氏や山名氏などの守護大名の対立をきっかけとする応仁の乱が始まった。
イ 城を修理するときは、必ず幕府に届けるなど大名の築城が規制された後、徳川家光は将軍の居城に大名を集め、1年おきに領地と幕府がおかれた土地とを往復する参勤交代の制度を定めた。
ウ 全国統一を目指した織田信長は、金箔を施した瓦を並べた七重の天守をもつ城を山頂に築き、その城下町には商工業者に自由な経済活動を認める楽市令を出した。
エ 明が弱体化し、倭寇が活動する中で、中国の船に乗ったポルトガル人は、後に、武士の戦い方に影響を与える鉄砲を伝えた。

日本の略地図。政治などに関する主な出来事が起こった場所A〜Dが示されている
略地図(出来事が起こった場所A〜D)
解答・解説

答え 時期 1番目 ア 2番目 エ 3番目 ウ 4番目 イ 略地図のB ウ

時期の順:
ア 応仁の乱(1467年) → エ 鉄砲伝来(1543年、種子島) → ウ 安土城・楽市令(1576年〜) → イ 参勤交代(1635年、武家諸法度寛永令)
よって ア → エ → ウ → イ。

略地図のB:略地図でBは琵琶湖の東岸にあります。ここは織田信長が安土城を築いた場所なのでウがあてはまります。
ほかの場所:Aは江戸(イ・参勤交代)、Cは京都(ア・応仁の乱)、Dは種子島(エ・鉄砲伝来)です。

〔問3〕(5点)

Ⅰの文章は、明治政府の内務省の長官を務める大久保利通が、1875年に独占されていた貿易の主導権を取り戻そうと提言した文書の一部を分かりやすく示したものである。Ⅱのグラフは、1870年から1879年までの、機械(器械)製糸場数と、機械(器械)製糸場が立地する府県数の推移を示したものである。
機械(器械)製糸場数と、機械(器械)製糸場が立地する府県数の変化について、ⅠとⅡの資料を活用し、政府が1872年に富岡製糸場を設立した目的に着目して、簡単に述べなさい。

Ⅰ ○日本の輸出品のうち、生糸はこれまで海外から高く評価をされてきた。
○職人たちの手本とするため、富岡製糸場を建設した。
○富岡製糸場の建設により、各地の生糸の品質の向上や、国民が自力で機械(器械)製糸場を建設するといった効果があった。

解答・解説

答え 記述問題(自分で書いてから、下の解説と見くらべましょう)

正答例
職人たちの手本とするために富岡製糸場が建設され、機械(器械)製糸場数と機械(器械)製糸場が立地する府県数が大幅に増加した。

目的(Ⅰ)…「職人たちの手本とするため」に富岡製糸場を建設しました。官営模範工場です。
変化(Ⅱ)…1872年の富岡製糸場設立を境に、機械製糸場数も立地する府県数も大幅に増加しています。

答えには、目的(手本とするため)と、2つの数がどちらも大幅に増えたことの両方を入れます。グラフが2本あるときは、両方に触れるのが得点のポイントです。

自分で確かめるポイント

  • 「職人たちの手本とするため」という目的を書けているか
  • 機械(器械)製糸場数が増加したことを書けているか
  • 立地する府県数も増加したことを書けているか

〔問4〕(5点)

略年表は、大正時代から平成時代にかけて、電化製品の製造や販売などに関する主な出来事をまとめたものである。
略年表中のA〜Dのそれぞれの時期に当てはまるのは、ア〜エのうちではどれか。

ア 政府が所得倍増をスローガンに経済成長を促進する政策を進める中で、アジアでの開催が初めてとなるオリンピック・パラリンピックが東京で開かれた。
イ 東京で初めての先進国首脳会議が開催され、二度にわたる石油危機を通して、省エネルギー化により日本製品の品質に向上が見られ、自動車の生産台数が世界第一位となった。
ウ 日本に対する占領政策が進む中で、東京にある工場が、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)にトラック部品の製造許可を申し出た。
エ 日本では第一次世界大戦中に輸出額が伸び、重化学工業が発展した後、東京において電力会社が設立され、ラジオ放送が開始された。

解答・解説

答え A エ B ウ C ア D イ

各文の年代を確かめて区間に当てはめます。
A(1915〜1942)=エ:第一次世界大戦(1914〜18)後、ラジオ放送開始は1925年。
B(1942〜1958)=ウ:GHQによる占領は1945〜1952年。
C(1958〜1970)=ア:所得倍増計画は1960年、東京オリンピックは1964年。
D(1970〜1991)=イ:石油危機は1973年・1979年、東京サミットは1979年。

コツ:昭和以降は「戦前(〜1945)→ 占領期(1945〜52)→ 高度経済成長(1955〜73)→ 石油危機・安定成長(1973〜)→ バブル(1980年代後半)」の流れで整理しましょう。


大問5 公民(財政)

〔問1〕(5点)

次の文は、国民年金法について述べたものである。

「国民年金法は、老齢等によって生活が不安定になることを国民の共同連帯によって防止し、健全な生活の維持及び向上に寄与することを目的とする国民年金制度について定めている。」

国民年金法が根拠とする日本国憲法の条文は、ア〜エのうちではどれか。

  • ア何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
  • イ国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
  • ウ財産権は、これを侵してはならない。
  • エすべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
解答・解説

答え イ 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

国民年金は社会保障制度の一つです。イは日本国憲法第25条第2項で、国に社会福祉・社会保障・公衆衛生の向上と増進の努力を義務づけた条文であり、これが根拠となります。

ほか:
ア…第22条 居住・移転・職業選択の自由(自由権のうち経済活動の自由)
ウ…第29条 財産権(同じく経済活動の自由)
エ…第27条 勤労の権利と義務(社会権ですが、年金の根拠ではありません)

コツ:第25条は第1項が生存権(健康で文化的な最低限度の生活)、第2項が国の社会保障の義務。社会保障の問題ではこの条文がよく出ます。

〔問2〕(5点)

Ⅰのグラフは、2000年度から2023年度までの我が国における歳入・歳出に関する金額の推移を示したものである。Ⅰのグラフのア〜ウは、租税収入、歳出総額、公債発行額のいずれかに当てはまる。Ⅱの文章は、Ⅰのグラフのア〜ウのいずれかの金額の推移について述べたものである。
Ⅱの文章で述べている金額の推移に当てはまるのは、Ⅰのグラフのア〜ウのうちではどれか。

Ⅱ 政府が主に財政赤字を補うことを目的に国民等から借り入れた収入であり、将来的に元本の返済と利子の支払いが必要である。アメリカ合衆国の証券会社の経営破綻等をきっかけに不況が世界中に広がり、世界金融危機が発生した年から翌年にかけて5割以上の増加を記録し、私たちが納める税金等から得られる金額を上回った。

  • アグラフ中のアの線(3本の中で最も金額が大きい)
  • イグラフ中のイの線
  • ウグラフ中のウの線(2008年から2009年にかけて急増し、租税収入を上回った)
  • エグラフのどれにも当てはまらない
解答・解説

答え ウ グラフ中のウの線(2008年から2009年にかけて急増し、租税収入を上回った)

Ⅱが述べているのは公債発行額です。手がかりは「財政赤字を補うために借り入れた収入」「元本の返済と利子の支払いが必要」という説明です。

グラフでは次のように見分けます。
・ア=歳出総額…3本の中で常に最も大きい(使うお金の合計)
・イ=租税収入…景気に応じて上下する
・ウ=公債発行額…2008年(リーマン・ショック)から2009年にかけて急増し、租税収入(イ)を上回った

Ⅱの「世界金融危機が発生した年から翌年にかけて5割以上の増加」「税金等から得られる金額を上回った」がこの動きと一致するのでウです。

〔問3〕(5点)

次の文章は、ある年の通常国会で一般会計予算案が最終的に議決されるまでの経過についてまとめたものである。

「政府が国会に予算案を提出した。衆議院での審議の結果、予算案は可決され、参議院に送られた。参議院での審議の結果、予算案は否決された。その後、両院協議会が開催され、審議の結果、意見は一致しなかった。そのため、衆議院の議決が国会の議決となった。」

この文章で述べている経過と同じ経過をたどる衆議院の優越が適用される事項に当てはまるのは、ア〜エのうちではどれか。

  • ア憲法改正の発議
  • イ法律案の議決
  • ウ内閣不信任の決議
  • エ条約の承認
解答・解説

答え エ 条約の承認

予算の議決と同じしくみ(両院協議会を開いても意見が一致しなければ衆議院の議決が国会の議決になる)が適用されるのは、条約の承認と内閣総理大臣の指名です。よってエ。

ほかとのちがい:
ア 憲法改正の発議…衆議院の優越はありません。両議院それぞれで総議員の3分の2以上の賛成が必要です。
イ 法律案の議決…参議院が否決した場合、衆議院で出席議員の3分の2以上の賛成で再可決すれば成立します(しくみがちがいます)。
ウ 内閣不信任の決議…衆議院だけが行える決議で、参議院での審議自体がありません。

コツ:予算・条約・首相指名の3つは「両院協議会 → 衆議院の議決」、法律案だけは「3分の2で再可決」と覚え分けましょう。

〔問4〕(5点)

Ⅰの文章は、2000年に施行された交通バリアフリー法の一部を分かりやすく書き改めたものである。Ⅱの文章は、この法律に基づいて実施された、ノンステップバス導入促進施策の一部について述べたものである。Ⅲのグラフは、1994年度から2006年度までの、ノンステップバスの車両数の推移を示したものである。
Ⅰ〜Ⅲの資料を活用し、この法律の施行前と比べた施行後のノンステップバスの車両数の変化について、車両を新規に導入する際の公共交通事業者の義務及びノンステップバスを新規に導入する際の国による支援措置に着目して、簡単に述べなさい。

Ⅰ ○公共交通事業者に対して、鉄道駅等の旅客施設を新設する際や車両を新規に導入する際は、バリアフリー基準への適合を義務付けた。
○ノンステップバスを新規に導入する等、バリアフリー化を推進する事業に対して、国が必要な資金の確保やその他の措置を講じるように努めることが定められた。

Ⅱ ○国は、ノンステップバスを新規に導入する事業者に対する支援措置として、一定額の予算を計上し、経費の一部を補助する。
○国は、支援措置として、法人税等の負担を軽くする等、税制上の措置を講じる。

解答・解説

答え 記述問題(自分で書いてから、下の解説と見くらべましょう)

正答例
国が公共交通事業者に対して、バリアフリー基準への適合を義務付け、支援措置として経費の一部補助や税制上の措置を行い、法律の施行後、ノンステップバスの車両数は施行前と比べて、より増加した。

3つの資料からそれぞれ読み取ります。
Ⅰ(義務)…車両を新規に導入する際、バリアフリー基準への適合を義務付けた。
Ⅱ(支援措置)…経費の一部補助と税制上の措置(法人税等の軽減)。
Ⅲ(変化)…2000年の施行を境に、車両数の増え方が大きくなっている。

問いが「義務及び支援措置に着目して」と指定しているので、この2つを両方書いた上で、車両数が増加したという結果につなげます。

自分で確かめるポイント

  • バリアフリー基準への適合を義務付けたことを書けているか
  • 経費の補助や税制上の措置という支援措置を書けているか
  • 施行前と比べて車両数がより増加したことを書けているか

大問6 国際社会

世界の略地図です。〔問1〕はこの略地図について答えます。A〜Dは国を表します。

世界の略地図。国A〜Dが色つきで示されている

〔問1〕(5点)

略地図中の矢印は、1852年から1853年にかけて、アメリカ合衆国のペリーが率いた艦隊が、Aで示した港を出航し、B、C、Dの港を経由して浦賀に訪れるまでの航路を模式的に示したものである。
表のア〜エは、略地図中にA〜Dで示したいずれかの港の様子と港が立地する都市における歴史的な主な出来事を示したものである。略地図中のA〜Dのそれぞれに当てはまるのは、表のア〜エのうちではどれか。

ア 港は、大陸で最長の河川の河口部に位置し、貿易拠点として発展。銀の不足などをきっかけに1840年に起こった戦争後の条約で開港地の一つとなり、外国人居留地(租界)が形成された。
イ 港は、インド洋と南シナ海をつなぐ海峡の南端に位置し、すずや天然ゴムの貿易拠点として発展。1819年にイギリスの東インド会社のラッフルズによって貿易船の寄港地となった。
ウ 港は、大陸の東海岸に面し、石炭や穀物の輸出や軍事拠点として発展。後に初代大統領となるワシントンを総司令官とし、1775年にイギリスからの独立を目指して起こった戦争の舞台の一つとなった。
エ 港は、大陸の南端部に位置し、1498年にバスコ・ダ・ガマが喜望峰回りの航路を開拓した後、中継拠点として発展。1652年にオランダの東インド会社が置かれた。

解答・解説

答え A ウ B エ C イ D ア

ペリーの航路を順にたどると決まります。
A = ウ:出航地はアメリカ東海岸のノーフォーク。独立戦争(1775年)の舞台となった地域です。
B = エ:大西洋を南下して、アフリカ南端のケープタウン。バスコ・ダ・ガマの喜望峰回り航路の拠点です。
C = イ:インド洋を渡り、マラッカ海峡南端のシンガポール。ラッフルズが1819年に開いた港です。
D = ア:東シナ海へ向かい、長江(大陸最長の河川)河口の上海。アヘン戦争(1840年)後の南京条約で開港しました。

そこから浦賀へ向かいます。コツ:「出航地 → 喜望峰 → マラッカ海峡 → 上海 → 日本」という地理的な順序で考えると迷いません。

〔問2〕(5点)

Ⅱの文は、旅客機の航空路に関する出来事について述べた文である。

「日本からヨーロッパ州へ向かう旅客機は、冷戦の影響によりソ連の領空を通過することに制限があったが、ソ連解体後、シベリア上空の通過が本格的に開放された。」

Ⅱの文で述べている時期に当てはまるのは、Ⅰの略年表中のア〜エの時期のうちではどれか。

  • ア略年表中のアの時期(1945年のヤルタ会談〜1955年のワルシャワ条約機構結成)
  • イ略年表中のイの時期(1956年の日ソ共同宣言〜1965年のベトナム戦争勃発)
  • ウ略年表中のウの時期(1972年の国連人間環境会議〜1989年のマルタ会談)
  • エ略年表中のエの時期(1989年のマルタ会談〜1995年のWTO発足)
解答・解説

答え エ 略年表中のエの時期(1989年のマルタ会談〜1995年のWTO発足)

ソ連の解体は1991年です。Ⅱは「ソ連解体後」の出来事なので、1991年より後になります。
略年表で1991年を含む区間は、1989年のマルタ会談と1995年のWTO発足の間なのでエ。

覚えておきたい流れ:
1989年 マルタ会談で冷戦の終結を宣言/ベルリンの壁崩壊
1990年 東西ドイツ統一
1991年 ソ連解体
この3年間の出来事はまとめて覚えておくと、年表問題で役立ちます。

〔問3〕(5点)

Ⅰのグラフは2023年における訪日外国人の総数と州別の割合を、Ⅱの表はア〜エのそれぞれの州について、2023年において日本に入国する際の訪日外国人の利用者数が多い上位7位までの空港の利用者数の割合を示したものである。Ⅲの文章は、ア〜エのいずれかの州の訪日外国人の様子について述べたものである。
Ⅲの文章で述べている州に当てはまるのは、ア〜エのうちのどれか。

Ⅲ ○この州の訪日外国人は、三大都市圏の中で東京大都市圏に立地する空港を利用する割合が最も高く、その割合は約4割となっている。
○この州の一部の地域は、東京大都市圏以外に立地する空港への直行便があり、この州の訪日外国人は、他の州に比べて東京大都市圏以外に立地する空港を利用する割合が高くなっている。

  • アア(成田28.9%/羽田11.7%/関西28.8%/福岡12.6%/新千歳5.7%)
  • イイ(成田40.6%/羽田43.7%/関西9.4%/福岡1.6%)
  • ウウ(成田37.4%/羽田42.6%/関西13.7%/福岡2.0%)
  • エエ(成田37.9%/羽田41.4%/関西13.6%/福岡1.8%)
解答・解説

答え ア ア(成田28.9%/羽田11.7%/関西28.8%/福岡12.6%/新千歳5.7%)

東京大都市圏の空港は成田国際空港と東京国際空港(羽田)です。2つを足して比べます。
・ア:28.9 + 11.7 = 40.6%(約4割)
・イ:40.6 + 43.7 = 84.3%
・ウ:37.4 + 42.6 = 80.0%
・エ:37.9 + 41.4 = 79.3%

「約4割」でほかよりずっと低いのはアだけです。
アはさらに、関西28.8%・福岡12.6%・新千歳5.7%と東京以外の空港の割合が高く、Ⅲの「直行便があり、他の州に比べて東京大都市圏以外の空港を利用する割合が高い」とも一致します。

アは訪日外国人の79.6%を占めるアジア州です。近距離のため、地方空港への直行便が多いことが背景にあります。


答え一覧

見直し用です。考え方は各問題の「解答・解説」を開いてください。

大問 問 答え
1 〔問1〕 エ
1 〔問2〕 イ
1 〔問3〕 ウ
2 〔問1〕 略地図のA〜D C Ⅱのア〜エ イ
2 〔問2〕 P エ Q イ R ア S ウ
2 〔問3〕 Ⅰの表のア〜エ ア 略地図のW〜Z Z
3 〔問1〕 A イ B エ C ア D ウ
3 〔問2〕 ア
3 〔問3〕 記述
4 〔問1〕 1番目 ウ 2番目 イ 3番目 ア 4番目 エ
4 〔問2〕 時期 1番目 ア 2番目 エ 3番目 ウ 4番目 イ 略地図のB ウ
4 〔問3〕 記述
4 〔問4〕 A エ B ウ C ア D イ
5 〔問1〕 イ
5 〔問2〕 ウ
5 〔問3〕 エ
5 〔問4〕 記述
6 〔問1〕 A ウ B エ C イ D ア
6 〔問2〕 エ
6 〔問3〕 ア

出典・原本

問題・正答は東京都教育委員会の公開資料によります。原本は以下から確認できます。

解説はYELL for ALLが独自に作成したものです。図・表は原本の画像ではなく、問題文の条件や数値から作り直しています。