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平行線と角


角の名前を覚える

2本の直線に1本の直線(横断線)が交わるとき、できる角には名前がついています。

ℓ m a b c d e f g h
平行な2直線 ℓ・m に1本の直線が交わってできる8つの角

3つの角の位置関係

名前 位置 平行なとき
対頂角 交点をはさんで向かい合う いつでも等しい
同位角 同じ側の同じ位置 平行なら等しい
錯角 斜めに向かい合う内側 平行なら等しい

対頂角は「いつでも」等しい

平行かどうかに関係なく、2直線が交わればいつでも対頂角は等しくなります。

理由 一直線の角は \(180°\) なので

\[ \angle a + \angle b = 180°, \qquad \angle c + \angle b = 180° \]

両方から同じ \(\angle b\) を引くと \(\angle a = \angle c\) になります。

同位角・錯角は平行のときだけ

同位角と錯角が等しくなるのは、2直線が平行なときだけです。 平行でなければ等しくなりません。ここを混同しないよう注意してください。


平行線の性質と、その逆

平行線の性質

\(\ell \parallel m\) ならば

  • 同位角は等しい
  • 錯角は等しい

平行になる条件(逆)

次のどちらかが成り立てば、\(\ell \parallel m\) といえます。

  • 同位角が等しい
  • 錯角が等しい

「平行だから角が等しい」と「角が等しいから平行」は逆向きの使い方です。問題によってどちらを使うか変わります。


角度を求める問題

例題1

\(\ell \parallel m\) のとき、\(\angle x\) を求めなさい。

\(\ell\) 上の同位角が \(65°\)、\(\angle x\) はその錯角の位置にあるとします。

解答

\(\ell \parallel m\) なので、錯角は等しくなります。

\[ \angle x = 65° \]

例題2(補助線を引く)

\(\ell \parallel m\) で、間に折れ線があるとき、\(\angle x\) を求めなさい。 上の角が \(40°\)、下の角が \(30°\) とします。

解答

折れ点を通り、\(\ell\) に平行な直線を引きます。

この補助線によって \(\angle x\) が2つに分かれます。

  • 上側の角: \(\ell\) との錯角で \(40°\)
  • 下側の角: \(m\) との錯角で \(30°\)
\[ \angle x = 40° + 30° = 70° \]

折れ線が出たら平行な補助線

平行線の間に折れ線があったら、折れ点を通る平行線を引くのが定石です。 錯角が2つ作れて、角を分けて求められます。


三角形の内角と外角

三角形の角の性質

\[ \boxed{\text{内角の和} = 180°} \]
\[ \boxed{\text{外角} = \text{となり合わない2つの内角の和}} \]

内角の和が \(180°\) になる理由

頂点 A を通り、辺 BC に平行な直線を引きます。

すると錯角によって、\(\angle B\) と \(\angle C\) が頂点 A のところに移動してきます。 \(\angle A\) と合わせると一直線になるので、

\[ \angle A + \angle B + \angle C = 180° \]

証明は「平行線を引く」から始まる

内角の和の証明は、補助線として平行線を引くことがカギです。 平行線の錯角を使って、角を1か所に集めています。

外角の性質

\[ \angle ACD = \angle A + \angle B \]

理由 \(\angle ACB + \angle ACD = 180°\) かつ \(\angle A + \angle B + \angle ACB = 180°\) なので、 両方から \(\angle ACB\) を引いて \(\angle ACD = \angle A + \angle B\)。


多角形の角

多角形の内角・外角

\(n\) 角形について

\[ \boxed{\text{内角の和} = 180° \times (n - 2)} \]
\[ \boxed{\text{外角の和} = 360°} \]

外角の和は、何角形でも必ず \(360°\) です。

内角の和の理由

\(n\) 角形は、1つの頂点から対角線を引くと \((n-2)\) 個の三角形に分けられます。 三角形1つが \(180°\) なので、\(180° \times (n-2)\) です。

図形 \(n\) 内角の和
三角形 \(3\) \(180°\)
四角形 \(4\) \(360°\)
五角形 \(5\) \(540°\)
六角形 \(6\) \(720°\)

正多角形の1つの角

正 \(n\) 角形は全部の角が等しいので

\[ \text{1つの内角} = \frac{180° \times (n-2)}{n}, \qquad \text{1つの外角} = \frac{360°}{n} \]

外角から求めるほうが速い

正多角形の内角を求めるとき、先に外角を求めると計算が楽です。

正十二角形なら、外角は \(360° \div 12 = 30°\)、内角は \(180° - 30° = 150°\)。


練習問題

問1

\(\ell \parallel m\) のとき、次の角を求めなさい。

  1. \(65°\) の同位角
  2. \(65°\) の錯角
  3. \(65°\) ととなり合う角(一直線上の角)
解答

(1) \(65°\) (2) \(65°\) (3) \(180° - 65° = 115°\)

問2

三角形の2つの内角が \(52°\)、\(71°\) のとき、残りの内角と、\(52°\) の角の外角を求めなさい。

解答

残りの内角

\[ 180° - 52° - 71° = 57° \]

\(52°\) の外角 = となり合わない2つの内角の和

\[ 71° + 57° = 128° \]

(確かめ: \(180° - 52° = 128°\) ✓)

問3

次の多角形について答えなさい。

  1. 八角形の内角の和
  2. 正八角形の1つの内角
  3. 内角の和が \(1440°\) になるのは何角形か
解答

(1) \(180° \times (8-2) = 180° \times 6 = 1080°\)

(2) 外角が \(360° \div 8 = 45°\) なので、内角は \(180° - 45° = 135°\)

(または \(1080° \div 8 = 135°\))

(3) \(180°(n-2) = 1440°\) より \(n - 2 = 8\)、\(n = 10\)。十角形

問4(応用)

\(\ell \parallel m\) で、間に折れ線があります。上側の角が \(35°\)、折れ点の角(\(\angle x\))が \(95°\) のとき、下側の角 \(\angle y\) を求めなさい。

解答

折れ点を通り \(\ell\) に平行な補助線を引くと、\(\angle x\) は2つに分かれます。

  • 上側: \(\ell\) との錯角で \(35°\)
  • 下側: \(95° - 35° = 60°\)

下側の角は \(m\) との錯角なので

\[ \angle y = 60° \]

この単元のまとめ

  • 対頂角はいつでも等しい。同位角・錯角は平行なときだけ
  • 平行線の間の折れ線 → 折れ点を通る平行な補助線
  • 三角形の内角の和 \(180°\)、外角 = となり合わない2内角の和
  • \(n\) 角形の内角の和 \(= 180°(n-2)\)、外角の和はいつでも \(360°\)
  • 正多角形は外角から求めると速い

次は 合同と証明 で、図形の性質を証明する方法を学びます。


もっと練習しよう

この分野の問題をもっと解きたいときは、平行と合同 練習問題 に挑戦しよう。解説ページとはちがう問題です。