四分位数と箱ひげ図¶
データの散らばりを見る¶
平均値だけでは、データの様子は分かりません。
例 2つの班のテストの点数
| 班 | 点数 | 平均 |
|---|---|---|
| A班 | \(50, 50, 50, 50, 50\) | \(50\) 点 |
| B班 | \(10, 30, 50, 70, 90\) | \(50\) 点 |
平均はどちらも \(50\) 点ですが、散らばり方がまったく違います。 そこで、散らばりを表す方法が必要になります。
四分位数¶
データを小さい順に並べ、4等分する位置の値を四分位数といいます。
四分位数の求め方
- データを小さい順に並べる
- 中央値(第2四分位数 Q2)を求める
- 中央値で前半・後半に分ける
- 前半の中央値が Q1、後半の中央値が Q3
データが奇数個のときの分け方
データが奇数個のとき、中央値そのものは前半にも後半にも入れません。
例:\(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9\)(9個) 中央値は \(5\)。前半は \(1,2,3,4\)、後半は \(6,7,8,9\) です。 \(5\) をどちらかに入れてしまうのが、いちばん多いまちがいです。
例:12個のデータ¶
偶数個なので、そのまま半分に分けます。
- 前半 \(3, 5, 6, 8, 9, 10\) → \(Q_1 = \dfrac{6+8}{2} = 7\)
- 全体の中央値 → \(Q_2 = \dfrac{10+12}{2} = 11\)
- 後半 \(12, 13, 15, 16, 18, 20\) → \(Q_3 = \dfrac{15+16}{2} = 15.5\)
四分位範囲¶
四分位範囲
まん中あたりの半分のデータが、どれくらいの幅に散らばっているかを表します。
上の例では
範囲との違い¶
| 求め方 | 特徴 | |
|---|---|---|
| 範囲 | 最大値 − 最小値 | 極端な値の影響を受けやすい |
| 四分位範囲 | \(Q_3 - Q_1\) | 極端な値の影響を受けにくい |
なぜ四分位範囲を使うのか
1人だけ極端に高い(低い)点があると、範囲は大きく変わってしまいます。 四分位範囲は真ん中の半分だけを見るので、そうした影響を受けにくく、 データ全体の散らばりを安定して表せます。
箱ひげ図¶
5つの値(最小値・\(Q_1\)・中央値・\(Q_3\)・最大値)を図にしたものです。
- 箱 … \(Q_1\) から \(Q_3\) まで(データの真ん中半分)
- 箱の中の線 … 中央値
- ひげ … 最小値と最大値まで
箱ひげ図から読み取れること
- 箱が短い → 真ん中のデータが集まっている
- 箱が長い → 真ん中のデータが散らばっている
- 中央値の線の位置 → 箱の中で左寄りなら小さい値に偏っている
作って確かめよう¶
データを入れかえると、箱ひげ図と四分位数の求め方がその場で変わります。 奇数個と偶数個で分け方が変わることを確かめてください。
代表値の復習¶
| 代表値 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| 平均値 | 合計 ÷ 個数 | 極端な値の影響を受けやすい |
| 中央値 | まん中の値 | 極端な値の影響を受けにくい |
| 最頻値 | いちばん多く出る値 | 個数の多いものが分かる |
どれを使うか
1人だけ極端な値があるときは、平均値より中央値のほうが実態に合います。
例:\(5\) 人の所持金が \(100, 200, 300, 400, 10000\) 円のとき 平均は \(2200\) 円ですが、中央値は \(300\) 円。 「ふつうどれくらい持っているか」を表すのは中央値のほうです。
練習問題¶
問1¶
次のデータについて、最小値・\(Q_1\)・中央値・\(Q_3\)・最大値を求めなさい。
解答
8個(偶数)なので、そのまま半分に分けます。
- 最小値 \(2\)、最大値 \(14\)
- 中央値: \(\dfrac{7+8}{2} = 7.5\)
- 前半 \(2,4,5,7\) → \(Q_1 = \dfrac{4+5}{2} = 4.5\)
- 後半 \(8,10,12,14\) → \(Q_3 = \dfrac{10+12}{2} = 11\)
問2¶
次のデータの四分位範囲を求めなさい。
解答
7個(奇数)です。中央値は \(7\)。
中央値の \(7\) は前半にも後半にも入れません。
- 前半 \(1,3,5\) → \(Q_1 = 3\)
- 後半 \(9,11,13\) → \(Q_3 = 11\)
問3¶
ある中学校の2つのクラスの、テストの点数の箱ひげ図があります。
- A組:最小 \(30\)、\(Q_1 = 50\)、中央値 \(60\)、\(Q_3 = 70\)、最大 \(90\)
- B組:最小 \(20\)、\(Q_1 = 40\)、中央値 \(60\)、\(Q_3 = 80\)、最大 \(100\)
次の問いに答えなさい。
- どちらのクラスのほうが、点数が散らばっていますか。
- 中央値はどちらが高いですか。
解答
(1) 四分位範囲を比べます。
- A組: \(70 - 50 = 20\)
- B組: \(80 - 40 = 40\)
B組のほうが散らばっています。
(2) どちらも中央値は \(60\) 点で同じです。
中央値が同じでも散らばりは違う
この問題のように、中央値が同じでも散らばり方は大きく違うことがあります。 だから、代表値と散らばりの両方を見る必要があります。
問4(応用)¶
\(9\) 人の生徒の通学時間(分)を調べたところ、次のようになりました。
- 平均値と中央値を求めなさい。
- どちらが「ふつうの通学時間」を表していますか。理由も書きなさい。
解答
(1)
平均値:
中央値: 9個の真ん中(5番目)なので \(15\) 分
(2) 中央値(\(15\) 分)のほうが実態に近いといえます。
\(45\) 分という1人だけ極端に長い人がいるため、平均値が引き上げられています。 9人のうち6人は \(18\) 分以下なので、平均の \(17.6\) 分は「ふつう」とは言いにくい値です。
この単元のまとめ¶
- 四分位数は、データを小さい順に並べて4等分する位置の値
- 奇数個のとき、中央値は前半・後半のどちらにも入れない
- 四分位範囲 \(= Q_3 - Q_1\)。極端な値の影響を受けにくい
- 箱ひげ図は5つの値(最小・\(Q_1\)・中央値・\(Q_3\)・最大)で表す
- 箱が長いほど、真ん中のデータが散らばっている
- 極端な値があるときは、平均値より中央値が実態に合う
もっと練習しよう
この分野の問題をもっと解きたいときは、データの活用 練習問題 に挑戦しよう。解説ページとはちがう問題です。