心臓と血液循環¶
中学2年の「動物のからだのつくりとはたらき」では、消化・呼吸・排出で出入りする物質を、循環がまとめて運びます。その中心にあるのが心臓です。
暗記から始めず、心臓の部屋をクリックし、血液の道すじを1歩ずつ追いかけ、最後に計算で確かめましょう。
このラボでできること¶
- 心臓のつくり(3D) — 心臓を回して観察し、部屋をクリックして選ぶ。拍動に合わせて心室が縮み、血液が粒になって流れる
- 血液の道すじ — 体循環と肺循環が8の字につながるようすを1歩ずつ追う
- 動脈血と静脈血 — 名前と中身が一致しない「肺動脈・肺静脈」の例外を見つける
- 血液の成分 — 赤血球・白血球・血小板・血しょうのはたらきと、ヘモグロビンの性質を試す
- 器官と血液 — 肺・小腸・肝臓・じん臓を通ると血液の中身がどう変わるか比べる
- 心臓の計算 — 拍出量と心拍数から、1分間に送り出す血液の量を求める
① 心臓の4つの部屋¶
心臓は上下・左右に分かれた4つの部屋でできています。
| 部屋 | 血液が来る | 血液を送る | 流れる血液 |
|---|---|---|---|
| 右心房 | 大静脈(全身) | 右心室 | 静脈血 |
| 右心室 | 右心房 | 肺動脈(肺) | 静脈血 |
| 左心房 | 肺静脈(肺) | 左心室 | 動脈血 |
| 左心室 | 左心房 | 大動脈(全身) | 動脈血 |
上の心房は血液を「ためる」ふくろ、下の心室は血液を「送り出す」ポンプです。
3Dモデルでは、部屋のさかいめにある金色の輪が弁です。心室が縮むときに開いて血液を送り出し、ゆるむときに閉じて逆流を防ぎます。そのため血液はいつも一方向にしか流れません。心拍数のスライダーを動かすと、流れる速さも変わります。
左心室の壁がいちばん厚い理由
肺は心臓のすぐ隣にありますが、全身へは頭の先から足の先まで血液を届けなければなりません。強い力が必要なので、左心室の筋肉がいちばん厚くなっています。
② 2つの循環¶
血液の道すじは、2つの輪がつながった8の字です。
- 体循環(大循環):左心室 → 大動脈 → 全身の細胞 → 大静脈 → 右心房
- 肺循環(小循環):右心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 左心房
全身の細胞では酸素と養分をわたして二酸化炭素を受け取り、肺では二酸化炭素を出して酸素を受け取ります。
③ まちがえやすい「動脈・静脈」と「動脈血・静脈血」¶
決め方がちがうことに注意してください。
- 動脈・静脈は血液が流れる向きで決まります。心臓から出ていくのが動脈、心臓へ戻るのが静脈。
- 動脈血・静脈血は酸素の量で決まります。酸素が多いのが動脈血、少ないのが静脈血。
そのため、名前と中身が一致しない血管が2つだけあります。
テストの頻出ポイント
肺動脈には静脈血が流れます(肺へ向かうので「動脈」だが、まだ酸素が少ない)。 肺静脈には動脈血が流れます(肺から戻るので「静脈」だが、酸素を受け取ったあと)。
④ 血液の成分¶
| 成分 | 固体/液体 | はたらき |
|---|---|---|
| 赤血球 | 固形成分 | ヘモグロビンで酸素を運ぶ |
| 白血球 | 固形成分 | 細菌などを食べてからだを守る |
| 血小板 | 固形成分 | 出血したとき血液を固める |
| 血しょう | 液体成分 | 養分・二酸化炭素・不要物を運ぶ |
ヘモグロビンは、酸素の多いところ(肺)では酸素と結びつき、酸素の少ないところ(全身の細胞)では酸素をはなします。この性質があるので、赤血球は酸素を受け取って運び、必要な場所でわたせます。
血しょうが毛細血管からしみ出したものが組織液で、細胞のまわりを満たし、血液と細胞の間の物質のやりとりを仲立ちします。
⑤ 器官を通ると血液はどう変わる?¶
- 肺:酸素が増え、二酸化炭素が減る(ここで静脈血 → 動脈血)
- 小腸:養分(ブドウ糖・アミノ酸)が増える。食後は小腸を出た血液の養分がもっとも多い
- 肝臓:養分をたくわえ、アンモニアを尿素に変える。小腸からの血液は門脈を通っていったん肝臓へ入る
- じん臓:尿素などの不要物をこし取る(ここを出た血液は尿素がもっとも少ない)
⑥ 数で確かめる¶
大人が安静にしているとき、1回の拍出量はおよそ \(70\ \mathrm{mL}\)、心拍数はおよそ1分間に \(70\) 回です。
全身の血液量も約 \(5\ \mathrm{L}\) なので、血液はおよそ1分で全身を一周します。運動すると拍出量も心拍数も増え、一周する時間は短くなります。
次に進む前のチェック
「肺動脈に流れるのは動脈血か、静脈血か」を理由つきで説明できたら合格です。答えは静脈血。肺へ向かう血液は、まだ酸素を受け取っていないからです。
実物の形で見る
ラボの「実物の形で見る」ボタンを押すと、模式図(球と管)から実際の解剖データにもとづく心臓の形に切り替わります。 回転させて、心房と心室の位置、大動脈が心臓の後ろへ回り込むようすを確かめてください。
模式図は血液の流れを追うため、実物モデルは形と位置関係をつかむためのものです。目的に応じて切り替えましょう。
3Dモデルには BodyParts3D(ライフサイエンス統合データベースセンター)を使用しています。 教材で使えるようポリゴン数を減らし、心臓周辺のみを抜き出しています。詳細は素材の出典とライセンスを参照してください。 学習用のモデルであり、医学的な判断の根拠となるものではありません。
出典・参考¶
- 中2生物【心臓・血液の循環】 — 中学理科 ポイントまとめと整理
- 心臓のきほん — 日本小児循環器学会
- 動物の体のつくりとはたらき — 柏市教育委員会
- 心拍出量 — 看護roo!
- 心拍数と運動強度 — 健康長寿ネット(公益財団法人 長寿科学振興財団)
- BodyParts3D, (c) The Database Center for Life Science licensed under CC Attribution-Share Alike 2.1 Japan