コンテンツにスキップ

電流と磁界

電流が流れると、そのまわりに磁界ができます。逆に、磁界を変化させると電流が生まれます。この2つの関係が、モーター・発電機・IH・ICカードなど、身のまわりのほとんどの電気製品を動かしています。

磁界は目に見えません。平面の図では向きがつかみにくいので、3Dで回して確かめましょう。

このラボでできること

  1. 導線と磁界 — 電流のまわりにできる円形の磁界を、方位磁針つきで観察する
  2. コイル・電磁石 — 巻き数・鉄心・電流の向きを変えて、極と強さの変化を見る
  3. 電流が受ける力 — 電流と磁界の向きを選び、力の向きを3Dの矢印で確かめる
  4. 電磁誘導 — 磁石を近づける/遠ざけると、どちらの極ができるかを見る
  5. 問題演習 — 6問。解き方の手順とひっかかりやすい点つき

① まっすぐな導線のまわりの磁界

電流のまわりには、導線を中心とした同心円状の磁界ができます。向きは右ねじの法則で決まります。

右ねじの法則(まっすぐな導線)

右ねじを電流の向きに進めるとき、ねじを回す向きが磁界の向きです。

  • 親指 → 電流の向き
  • 残りの4本指 → 磁界の向き

磁界の強さは、導線に近いほど強く、電流が大きいほど強くなります。

ひっかかりやすい点

磁界は導線を取りまく円なので、導線の真上と真下では向きが逆になります。問題文で「方位磁針をどこに置いたか」を必ず確認してください。

② コイルと電磁石

導線をコイルにすると磁界が内側に集まり、棒磁石と同じはたらきをします。鉄心を入れたものが電磁石です。

右ねじの法則(コイル)

コイルでは、まっすぐな導線と指の役割が入れかわります。

  • 4本指 → 電流の向き(ねじの回る向き)
  • 親指 → 磁界の向き(ねじの進む向き)= N極の側

ひっかかりやすい点

「まっすぐな導線=親指が電流」「コイル=親指が磁界(N極)」。ここを混同する人がとても多いので、必ずセットで覚えましょう。

電磁石を強くする3つの方法

  1. 電流を大きくする(電圧を上げる、抵抗を小さくする)
  2. コイルの巻き数をふやす
  3. 鉄心を入れる

磁界の強さは、おおよそ「電流 × 巻き数」に比例します。

③ 電流が磁界から受ける力(モーターの原理)

磁界の中を流れる電流は、力を受けます。向きはフレミングの左手の法則で決まります。

フレミングの左手の法則

左手の3本の指を、たがいに直角に開きます。

指 意味
中指 電流(I)
人差し指 磁界(B)
親指 力(F)

中指から順に 電・磁・力(でん・じ・りょく)と覚えます。

力を大きくするには、電流を大きくする・磁界を強くする・導線を長くする(=巻き数をふやす)。

ひっかかりやすい点

  • 使うのは左手です(右手はフレミング右手の法則で、電磁誘導に使います)。
  • 電流と磁界が平行なときは、力がはたらきません。ラボのセレクトで確かめてみてください。

④ 電磁誘導

コイルの中の磁界が変化すると、電流を流そうとする電圧が生じ、電流が流れます。これが電磁誘導で、流れる電流を誘導電流といいます。

レンツの法則

誘導電流は、コイルの中の磁界の変化をさまたげる向きに流れます。

  • 磁石を近づける → じゃまをする → 反発する極(磁石と同じ極)ができる
  • 磁石を遠ざける → 引きとめる → 引き合う極(磁石と逆の極)ができる

誘導電流を大きくするには、磁石を速く動かす・巻き数をふやす・強い磁石を使う。

ひっかかりやすい点

電流が流れるのは磁界が変化しているときだけです。磁石をコイルの中で止めると、電流は流れません。「磁石がそばにあるかどうか」ではありません。

⑤ 身のまわりでの利用

製品 原理 しくみ
モーター(扇風機・電車・EV) 電流が受ける力 磁界の中のコイルに電流を流し、力で回し続ける
スピーカー・イヤホン 電流が受ける力 音の信号でコイルを振動させ、空気を震わせる
リニアモーターカー 電流が受ける力+誘導 電磁石で浮かせて進める。車内電源も誘導集電でまかなう
発電機(火力・水力・風力) 電磁誘導 磁石の中でコイルを回して発電する(交流になる)
IHクッキングヒーター 電磁誘導 交流で磁界を変化させ、なべ底に渦電流を起こして発熱させる
交通系ICカード(Suica) 電磁誘導 カードに電池はなし。改札の磁界がカード内のコイルに電流を生む
ワイヤレス充電 電磁誘導 充電台のコイルの磁界変化で、機器側に電流を発生させる
電磁石クレーン 電磁石 電流を流したときだけ磁石になり、切ると鉄を離せる

次に進む前のチェック

「コイルにN極を近づけたとき、コイルの上端は何極になるか」を理由つきで説明できたら合格です。答えはN極。近づいてくる磁石をさまたげるため、反発する同じ極になります。

出典・参考