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整式と展開

高校では式を「整式(多項式)」として扱い、次数や係数に注目して整理します。まず言葉を正確にそろえてから、展開公式に進みましょう。

1. まず用語をそろえる

用語 意味 例
単項式 数と文字のかけ算だけでできた式 \(3x^2y\)、\(-5\)
多項式 単項式を \(+\) で結んだ式 \(x^2-3x+2\)
整式 単項式と多項式をまとめた呼び方 上の両方
項 多項式を作っている1つ1つの単項式 \(x^2-3x+2\) の項は \(x^2,\,-3x,\,2\)
係数 項の数の部分 \(-3x\) の係数は \(-3\)
次数 かけ合わされた文字の個数 \(3x^2y\) の次数は \(3\)
定数項 文字を含まない項 \(x^2-3x+2\) の \(2\)

次数は「文字の個数の合計」

\(3x^2y\) は \(3\times x\times x\times y\) なので、文字は3個。次数は \(2\) ではなく \(3\) です。 多項式の次数は、いちばん次数の高い項の次数で決めます。\(x^3+5x^2y^2\) なら次数は \(4\)。

「○について」整理する

\(2\) 種類以上の文字があるときは、どの文字に注目するかを決めて並べ替えます。注目しない文字は数と同じ扱いです。

\[x^2+2xy-3x+y^2 \quad\Longrightarrow\quad \underbrace{x^2+(2y-3)x+y^2}_{x\text{ について降べきの順}}\]

次数の高い項から順に並べることを降べきの順、低い順を昇べきの順といいます。答案は原則、降べきの順で書きます。

例題1

\(-4x^3y^2\) の係数と次数を答えなさい。また、\(x\) について見たときの次数も答えなさい。

解説

係数は \(-4\)、次数は \(3+2=5\)。

\(x\) について見るときは \(y\) を数と同じ扱いにするので、\(x\) についての次数は \(3\)(係数は \(-4y^2\))です。

2. 指数法則

展開の計算はすべてこの3つが土台です。

指数法則

\[a^m\times a^n=a^{m+n},\qquad (a^m)^n=a^{mn},\qquad (ab)^n=a^nb^n\]
\[2x^2\times 3x^3=6x^5,\qquad (2x^3)^2=4x^6\]

3. 展開は分配法則そのもの

\[(a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd\]

かっこを外して単項式の和の形にすることを展開といいます。すべての組合せをかけ算して、同類項をまとめるだけです。

4. 覚えておく展開公式

展開公式

\[(a+b)^2=a^2+2ab+b^2,\qquad (a-b)^2=a^2-2ab+b^2\]
\[(a+b)(a-b)=a^2-b^2\]
\[(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab\]
\[(ax+b)(cx+d)=acx^2+(ad+bc)x+bd\]
\[(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca\]

なぜ \((x+a)(x+b)\) の真ん中が \(a+b\) になるのか

たて \(x+a\)、よこ \(x+b\) の長方形の面積として見ると、\(ax\) と \(bx\) の2つの細長い部分が出てきます。この2つを合わせたものが \((a+b)x\) です。下のラボで \(a,b\) を動かして確かめてください。

\((a+b+c)^2\) の覚え方

3つの文字から2つを選ぶ組合せは \(ab,\,bc,\,ca\) の3通り。だから「2乗の和 + 2×(3つの積の組)」になります。

\[(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2(ab+bc+ca)\]

例題2

\((2x-3y)^2\) を展開しなさい。

解説

\((a-b)^2=a^2-2ab+b^2\) で \(a=2x,\,b=3y\) とみます。

\[(2x)^2-2\cdot 2x\cdot 3y+(3y)^2=4x^2-12xy+9y^2\]

かたまり全体を2乗するのがポイントです。\(2x\) の2乗は \(2x^2\) ではなく \(4x^2\)。

例題3

\((3x+2)(2x-5)\) を展開しなさい。

解説

\((ax+b)(cx+d)=acx^2+(ad+bc)x+bd\) で \(a=3,\,b=2,\,c=2,\,d=-5\)。

\[x^2\text{の係数}=3\cdot2=6,\qquad x\text{の係数}=3\cdot(-5)+2\cdot2=-11,\qquad \text{定数項}=2\cdot(-5)=-10\]
\[=6x^2-11x-10\]

5. 工夫して展開する

そのまま全部かけ算すると大変な式でも、同じかたまりを文字におくと公式が使えます。

例題4

\((x+y+3)(x+y-3)\) を展開しなさい。

解説

\(x+y=A\) とおくと、\((A+3)(A-3)=A^2-9\)。

\[=(x+y)^2-9=x^2+2xy+y^2-9\]

例題5

\((x+1)(x+2)(x+3)(x+4)\) を展開しなさい。

解説

かける順番を工夫します。定数の和がそろう組を作るのがコツです。

\[(x+1)(x+4)=x^2+5x+4,\qquad (x+2)(x+3)=x^2+5x+6\]

\(x^2+5x=A\) とおくと、

\[(A+4)(A+6)=A^2+10A+24=(x^2+5x)^2+10(x^2+5x)+24\]
\[=x^4+10x^3+35x^2+50x+24\]

練習問題

  1. \(5x^3y^2z\) の次数と係数を答えなさい。
  2. \((3a-2b)^2\) を展開しなさい。
  3. \((4x+3y)(4x-3y)\) を展開しなさい。
  4. \((x-5)(x+8)\) を展開しなさい。
  5. \((2x+1)(3x-4)\) を展開しなさい。
  6. \((a-2b+c)^2\) を展開しなさい。
  7. \((x^2+x+1)(x^2-x+1)\) を展開しなさい。
答えと解説

1. 次数 \(3+2+1=6\)、係数 \(5\)。

2. \((3a)^2-2\cdot3a\cdot2b+(2b)^2=9a^2-12ab+4b^2\)

3. \((4x)^2-(3y)^2=16x^2-9y^2\)

4. \(x^2+(-5+8)x+(-5)\cdot8=x^2+3x-40\)

5. \(x^2\) の係数 \(2\cdot3=6\)、\(x\) の係数 \(2\cdot(-4)+1\cdot3=-5\)、定数項 \(-4\)。

\[=6x^2-5x-4\]

6. \(a,\,-2b,\,c\) の3つとみて公式にあてはめます。

\[a^2+4b^2+c^2+2\{a(-2b)+(-2b)c+ca\}=a^2+4b^2+c^2-4ab-4bc+2ca\]

7. \(x^2+1=A\) とおくと \((A+x)(A-x)=A^2-x^2\)。

\[=(x^2+1)^2-x^2=x^4+2x^2+1-x^2=x^4+x^2+1\]

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