コンテンツにスキップ

実数と平方根

中学までに使ってきた数を整理し、実数という1つの世界にまとめます。あわせて、数直線で考える道具である絶対値を身につけます。

1. 数の分類

実数 有理数(分数で表せる) 整数 自然数 1, 2, 3, … 0, −1, −2, … 1/2, 0.25, 0.333… 無理数 √2 π 1.41421…
実数 = 有理数 + 無理数。分数で表せるかどうかが分かれ目です。
用語 意味
自然数 \(1,2,3,\dots\)
整数 自然数、\(0\)、負の整数
有理数 \(\dfrac{m}{n}\)(\(m,n\) は整数、\(n\neq0\))と表せる数
無理数 分数で表せない数。\(\sqrt2\)、\(\pi\) など
実数 有理数と無理数を合わせた数

小数で見分ける

  • 有理数 → 有限小数か循環小数になる
  • 無理数 → 循環しない無限小数になる

循環小数を分数に直す

\(0.\dot{2}\dot{7}=0.272727\dots\) を分数にします。\(x=0.272727\dots\) とおくと、

\[100x=27.272727\dots,\qquad 100x-x=27\]
\[99x=27\quad\Longrightarrow\quad x=\frac{27}{99}=\frac{3}{11}\]

循環する桁数だけ10倍して引くのがコツです。

例題1

\(0.\dot{1}\dot{8}\) を分数で表しなさい。

解説

\(x=0.181818\dots\) とおくと \(100x-x=18\)。

\[99x=18\quad\Longrightarrow\quad x=\frac{18}{99}=\frac{2}{11}\]

2. 絶対値は「原点からの距離」

絶対値の定義

\[|a|=\begin{cases} a & (a\geqq 0) \\ -a & (a<0)\end{cases}\]

\(|a|\) は数直線上で \(a\) と原点 \(0\) の距離です。距離なので必ず \(0\) 以上になります。

\[|5|=5,\qquad |-5|=5,\qquad |0|=0\]

\(-a\) は負の数ではない

\(a=-5\) のとき \(-a=5\) です。\(|a|=-a\) という式は「マイナスをつける」ではなく「符号を反転して正にする」という意味です。

2数の距離

\[|a-b| = a\text{ と }b\text{ の距離}\]

たとえば \(|x-3|\) は「\(x\) と \(3\) の距離」。この読み方ができると、絶対値を含む方程式・不等式が図で解けます。

下のラボで中心 \(a\) と距離 \(r\) を動かし、\(|x-a|\) の意味を確かめましょう。

例題2

\(|x-2|=5\) を満たす \(x\) を求めなさい。

解説

「\(x\) と \(2\) の距離が \(5\)」なので、\(2\) から左右に \(5\) ずつ進んだ点です。

\[x=2+5=7,\qquad x=2-5=-3\]

式で書くなら \(x-2=\pm5\) から \(x=7,\,-3\)。

3. 平方根と根号

\(a\geqq0\) のとき、2乗して \(a\) になる数のうち正のほうを \(\sqrt{a}\) と書きます。

根号の性質(\(a,b>0\))

\[(\sqrt{a})^2=a,\qquad \sqrt{a}\sqrt{b}=\sqrt{ab},\qquad \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}=\sqrt{\frac{a}{b}}\]
\[\sqrt{a^2}=|a| \quad(\text{$a$ の符号は問わない})\]

\(\sqrt{a^2}=a\) は誤り

\(a=-3\) のとき \(\sqrt{(-3)^2}=\sqrt9=3=|-3|\) です。\(a\) が負かもしれない場面では、必ず \(|a|\) と書きます。

例題3

\(a<0\) のとき、\(\sqrt{a^2}+|a|\) を簡単にしなさい。

解説

\(\sqrt{a^2}=|a|\) であり、\(a<0\) なので \(|a|=-a\)。

\[\sqrt{a^2}+|a|=|a|+|a|=2|a|=-2a\]

\(a\) は負なので \(-2a\) は正の数です。

4. 分母の有理化

分母に根号が残らない形に直すことを有理化といいます。

\[\frac{1}{\sqrt3}=\frac{1\times\sqrt3}{\sqrt3\times\sqrt3}=\frac{\sqrt3}{3}\]

分母が2項のときは、\((a+b)(a-b)=a^2-b^2\) を使います。

\[\frac{1}{\sqrt5+\sqrt3}=\frac{\sqrt5-\sqrt3}{(\sqrt5+\sqrt3)(\sqrt5-\sqrt3)}=\frac{\sqrt5-\sqrt3}{5-3}=\frac{\sqrt5-\sqrt3}{2}\]

例題4

\(\dfrac{3}{2-\sqrt3}\) を有理化しなさい。

解説

分母・分子に \(2+\sqrt3\) をかけます。

\[\frac{3(2+\sqrt3)}{(2-\sqrt3)(2+\sqrt3)}=\frac{3(2+\sqrt3)}{4-3}=3(2+\sqrt3)=6+3\sqrt3\]

5. 整数部分と小数部分

\(\sqrt{a}\) の整数部分を \(n\) とすると、小数部分は \(\sqrt{a}-n\) です。

\[1^2=1<2<4=2^2 \quad\Longrightarrow\quad 1<\sqrt2<2\]

なので \(\sqrt2\) の整数部分は \(1\)、小数部分は \(\sqrt2-1\)。

例題5

\(\sqrt{7}\) の整数部分 \(a\)、小数部分 \(b\) を求め、\(b^2+2b\) の値を求めなさい。

解説

\(2^2=4<7<9=3^2\) より \(2<\sqrt7<3\)。よって \(a=2\)、\(b=\sqrt7-2\)。

\[b^2+2b=(\sqrt7-2)^2+2(\sqrt7-2)=(7-4\sqrt7+4)+(2\sqrt7-4)=7-2\sqrt7\]

6. 二重根号(発展)

\[\sqrt{a+2\sqrt{b}}=\sqrt{m}+\sqrt{n}\quad(m+n=a,\ mn=b,\ m>n)\]

「たして \(a\)、かけて \(b\)」の2数を探す、という因数分解と同じ発想です。

\[\sqrt{5+2\sqrt6}=\sqrt{3}+\sqrt{2}\qquad(3+2=5,\ 3\times2=6)\]

練習問題

  1. \(0.\dot{4}\dot{5}\) を分数で表しなさい。
  2. \(|-7|+|3-5|\) を計算しなさい。
  3. \(x<3\) のとき \(|x-3|\) を絶対値記号を使わずに表しなさい。
  4. \(\sqrt{48}-\sqrt{27}+\sqrt{12}\) を計算しなさい。
  5. \(\dfrac{\sqrt2}{\sqrt3-1}\) を有理化しなさい。
  6. \(x=\dfrac{1}{\sqrt5-2}\) のとき、\(x\) を有理化し、\(x^2-4x\) の値を求めなさい。
  7. \(\sqrt{9-2\sqrt{14}}\) を簡単にしなさい。
答えと解説

1. \(x=0.454545\dots\) とおくと \(99x=45\)。\(\;x=\dfrac{45}{99}=\dfrac{5}{11}\)

2. \(|-7|=7\)、\(|3-5|=|-2|=2\)。\(\;7+2=9\)

3. \(x-3<0\) なので \(|x-3|=-(x-3)=3-x\)。

4. \(4\sqrt3-3\sqrt3+2\sqrt3=3\sqrt3\)

5. 分母・分子に \(\sqrt3+1\) をかけます。

\[\frac{\sqrt2(\sqrt3+1)}{3-1}=\frac{\sqrt6+\sqrt2}{2}\]

6. \(x=\dfrac{\sqrt5+2}{(\sqrt5-2)(\sqrt5+2)}=\dfrac{\sqrt5+2}{1}=\sqrt5+2\)。

\[x^2-4x=(\sqrt5+2)^2-4(\sqrt5+2)=(9+4\sqrt5)-(4\sqrt5+8)=1\]

7. \(9-2\sqrt{14}\) で、たして \(9\)・かけて \(14\) の2数は \(7\) と \(2\)。

\[\sqrt{9-2\sqrt{14}}=\sqrt7-\sqrt2\quad(\text{大きいほうから引く})\]

次に進む