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正弦定理と余弦定理

ここまでは直角三角形が中心でしたが、この2つの定理はどんな三角形でも使えます。

1. 辺と角の対応

三角形 \(\mathrm{ABC}\) では、角 \(A\) の向かい側の辺を \(a\) と書きます。同じように \(B\leftrightarrow b\)、\(C\leftrightarrow c\) です。

ここを間違えると定理が使えない

正弦定理でつまずく原因の多くは、向かい合っていない角と辺を組にしてしまうことです。大文字が角、小文字が辺、同じ文字どうしが向かい合う、と覚えます。

図をタップして対応を確かめる

2. 正弦定理

正弦定理

外接円の半径を \(R\) とすると、

\[\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}=2R\]

いつ使うか

「角と、その向かいの辺」のペアが1組そろっているときに使えます。

分かっているもの 求められるもの
\(A\) と \(a\)、さらに \(B\) \(b\)
\(A\) と \(a\)、さらに \(b\) \(\sin B\)
\(A\) と \(a\) 外接円の半径 \(R\)

例題1

\(A=45^\circ\)、\(B=60^\circ\)、\(a=6\) のとき、辺 \(b\) を求めなさい。

解説

\(A\) と \(a\) がペアになっています。\(B\) が分かっているので \(b\) が求められます。

\[\frac{6}{\sin45^\circ}=\frac{b}{\sin60^\circ}\]
\[b=\frac{6\sin60^\circ}{\sin45^\circ}=6\times\frac{\sqrt3}{2}\times\sqrt2=3\sqrt6\]

例題2

\(a=10\)、\(A=30^\circ\) の三角形の外接円の半径 \(R\) を求めなさい。

解説
\[\frac{a}{\sin A}=2R\quad\Longrightarrow\quad 2R=\frac{10}{\sin30^\circ}=\frac{10}{1/2}=20\]
\[R=10\]

3. 余弦定理

余弦定理

\[a^2=b^2+c^2-2bc\cos A\]

同様に、\(b^2=c^2+a^2-2ca\cos B\)、\(c^2=a^2+b^2-2ab\cos C\)

三平方の定理の拡張

\(A=90^\circ\) のとき \(\cos A=0\) なので、

\[a^2=b^2+c^2\]

となり、三平方の定理と一致します。余弦定理は三平方の定理を、直角以外にも使えるようにしたものです。

\(-2bc\cos A\) の項は「直角からどれだけずれているか」の補正と考えると理解しやすくなります。

いつ使うか

分かっているもの 求められるもの
2辺とその間の角 残りの辺
3辺 どの角でも

角を求める形

3辺から角を求めるときは、式を変形して使います。

\[\cos A=\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}\]

例題3

\(b=5\)、\(c=8\)、\(A=60^\circ\) のとき、辺 \(a\) を求めなさい。

解説

2辺とその間の角なので余弦定理です。

\[a^2=5^2+8^2-2\times5\times8\times\cos60^\circ=25+64-80\times\frac12=49\]

長さは正なので \(a=7\)。

例題4

\(a=7\)、\(b=5\)、\(c=8\) のとき、\(\cos A\) を求めなさい。

解説

3辺が分かっているので余弦定理を変形します。

\[\cos A=\frac{5^2+8^2-7^2}{2\times5\times8}=\frac{25+64-49}{80}=\frac{40}{80}=\frac12\]

したがって \(A=60^\circ\)。

4. どちらを使うか

判断のしかた

まず「角と向かいの辺のペアがあるか」を探します。

  • ある → 正弦定理
  • ない → 余弦定理
分かっているもの 使う定理
1辺と2角 正弦定理
2辺と、そのうち1辺の向かいの角 正弦定理
2辺とその間の角 余弦定理
3辺 余弦定理

「2辺と角」でも、その角が2辺の間にあるかどうかで使う定理が変わります。ここが分かれ目です。

公式選びをゲームで練習する

練習問題

  1. \(A=30^\circ\)、\(a=4\)、\(B=45^\circ\) のとき、辺 \(b\) を求めなさい。
  2. \(b=3\)、\(c=5\)、\(A=120^\circ\) のとき、辺 \(a\) を求めなさい。
  3. \(a=6\)、\(b=10\)、\(c=14\) のとき、\(\cos C\) を求め、角 \(C\) を答えなさい。
  4. \(a=8\)、\(A=45^\circ\) のとき、外接円の半径 \(R\) を求めなさい。
  5. \(A=60^\circ\)、\(b=4\)、\(c=6\) の三角形で、辺 \(a\) を求めなさい。
  6. 次のそれぞれで、正弦定理と余弦定理のどちらを使いますか。
    1. \(a=5\)、\(b=7\)、\(C=40^\circ\) から \(c\) を求める
    2. \(A=50^\circ\)、\(a=9\)、\(b=6\) から \(\sin B\) を求める
答えと解説

1. \(A\) と \(a\) がペア。正弦定理より、

\[\frac{4}{\sin30^\circ}=\frac{b}{\sin45^\circ}\quad\Longrightarrow\quad b=\frac{4\times\frac{1}{\sqrt2}}{\frac12}=4\sqrt2\]

2. 2辺とその間の角なので余弦定理。\(\cos120^\circ=-\dfrac12\) に注意します。

\[a^2=3^2+5^2-2\times3\times5\times\left(-\frac12\right)=9+25+15=49\]
\[a=7\]

鈍角のとき \(\cos\) が負なので、\(-2bc\cos A\) が足し算になります。

3. $\(\cos C=\frac{6^2+10^2-14^2}{2\times6\times10}=\frac{36+100-196}{120}=\frac{-60}{120}=-\frac12\)$

したがって \(C=120^\circ\)。

4. $\(2R=\frac{8}{\sin45^\circ}=8\sqrt2\quad\Longrightarrow\quad R=4\sqrt2\)$

5. 2辺とその間の角なので余弦定理。

\[a^2=4^2+6^2-2\times4\times6\times\frac12=16+36-24=28\]
\[a=2\sqrt7\]

6.  (1) \(C\) は \(a\) と \(b\) の間の角なので 余弦定理。  (2) \(A\) と \(a\) が向かい合うペアなので 正弦定理。

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