令和6年度 都立高校入試 理科¶
都立高校入試過去問に挑戦!¶
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以下は全25問の問題と解説です。各問題の下にある「解答・解説」をタップすると、答えと考え方が開きます。
大問1 小問集合¶
〔問1〕(4点)¶
水素と酸素が結び付いて水ができるときの化学変化を表したモデルとして適切なのはどれか。
矢印の左側は化学変化前の水素と酸素のモデル、右側は化学変化後の水のモデルを表す。また、●は水素原子1個、○は酸素原子1個を表すものとする。
- ア●● + ○ → ●○●
- イ● ● + ○ → ●○●
- ウ● ● ● ● + ○○ → ●○● ●○●
- エ●● ●● + ○○ → ●○● ●○●
解答・解説
答え エ ●● ●● + ○○ → ●○● ●○●
水ができる化学変化は 2H₂ + O₂ → 2H₂O です。水分子(●○●)が2個できるので、水素原子は 2×2=4個、酸素原子は 2個 必要です。エは左側が水素原子4個(●●が2組)と酸素原子2個(○○)で、右側の水分子2個とぴったり合います。
アとイは酸素原子が1個しかなく水分子が2個作れません。ウは水素原子が●1個ずつバラバラに4個で、化学変化前の水素は水素分子 H₂(●●)として存在するはずなので不適切です。
〔問2〕(4点)¶
発泡ポリスチレンのコップの中の水に電熱線を入れた。電熱線に6Vの電圧を加えたところ、1.5Aの電流が流れた。このときの電熱線の抵抗の大きさと、電熱線に6Vの電圧を加え5分間電流を流したときの電力量とを組み合わせたものとして適切なのはどれか。
- ア抵抗 4Ω / 電力量 450J
- イ抵抗 4Ω / 電力量 2700J
- ウ抵抗 9Ω / 電力量 450J
- エ抵抗 9Ω / 電力量 2700J
解答・解説
答え イ 抵抗 4Ω / 電力量 2700J
抵抗は \(R = \dfrac{V}{I} = \dfrac{6}{1.5} = 4\,\Omega\)。
電力は \(P = VI = 6 \times 1.5 = 9\,\mathrm{W}\)。
電力量は \(9\,\mathrm{W} \times 300\,\mathrm{s} = 2700\,\mathrm{J}\)(5分=300秒)。
よって 4Ω と 2700J の組み合わせでイ。450Jは時間を50秒としたときの値なので、分を秒に直し忘れると引っかかります。
〔問3〕(4点)¶
次のA〜Eの生物の仲間を、脊椎動物と無脊椎動物とに分類したものとして適切なのはどれか。
A 昆虫類 B 魚類 C 両生類 D 甲殻類 E 鳥類
- ア脊椎動物 A, C, D / 無脊椎動物 B, E
- イ脊椎動物 A, D / 無脊椎動物 B, C, E
- ウ脊椎動物 B, C, E / 無脊椎動物 A, D
- エ脊椎動物 B, E / 無脊椎動物 A, C, D
解答・解説
答え ウ 脊椎動物 B, C, E / 無脊椎動物 A, D
脊椎動物(背骨がある)は 魚類・両生類・は虫類・鳥類・哺乳類 の5グループです。ここでは B 魚類・C 両生類・E 鳥類 があてはまります。
無脊椎動物(背骨がない)のうち、A 昆虫類 と D 甲殻類 はどちらも体が外骨格でおおわれ節がある節足動物の仲間です。
〔問4〕(4点)¶
ヘリウム原子の構造を模式的に表した図について、原子核の性質と電子の性質について述べたものとして適切なのはどれか。
(図では、中心に陽子と中性子からなる原子核があり、そのまわりを2個の電子が回っている。)
- ア原子核は、プラスの電気をもち、電子は、マイナスの電気をもつ。
- イ原子核は、マイナスの電気をもち、電子は、プラスの電気をもつ。
- ウ原子核と電子は、共にプラスの電気をもつ。
- エ原子核と電子は、共にマイナスの電気をもつ。
解答・解説
答え ア 原子核は、プラスの電気をもち、電子は、マイナスの電気をもつ。
原子核は陽子(+の電気)と中性子(電気をもたない)からできているので、原子核全体はプラスの電気をもちます。まわりを回る電子はマイナスの電気をもちます。
原子全体では陽子の数と電子の数が等しく、+と−が打ち消し合って電気を帯びていない状態になっています。
〔問5〕(4点)¶
ある日の午前9時の東京の気象観測の結果は「天気:くもり、風向:北東、風速:3.0 m/s」であった。また、風力と風速の関係は、風力0が0.3未満、風力1が0.3以上1.6未満、風力2が1.6以上3.4未満、風力3が3.4以上5.5未満、風力4が5.5以上8.0未満である。この気象観測の結果を天気、風向、風力の記号で表したものとして適切なのはどれか。
- ア天気記号は二重丸(◎)で、矢羽根が南西向きに3本
- イ天気記号は二重丸(◎)で、矢羽根が北東向きに2本
- ウ天気記号は丸に縦線(快晴以外)で、矢羽根が南西向きに3本
- エ天気記号は丸に縦線で、矢羽根が北東向きに2本
解答・解説
答え イ 天気記号は二重丸(◎)で、矢羽根が北東向きに2本
天気「くもり」の記号は◎(二重丸)です。
風力は風速3.0 m/sなので「1.6以上3.4未満」にあてはまり風力2。矢羽根は2本かきます。
風向は風が吹いてくる方位を表すので、北東の方向に軸をのばします。
この3つをすべて満たすのはイです。
〔問6〕(4点)¶
ヒトのヘモグロビンの性質の説明として適切なのはどれか。
- ア血液中の白血球に含まれ、酸素の少ないところでは酸素と結び付き、酸素の多いところでは酸素をはなす性質がある。
- イ血液中の白血球に含まれ、酸素の多いところでは酸素と結び付き、酸素の少ないところでは酸素をはなす性質がある。
- ウ血液中の赤血球に含まれ、酸素の少ないところでは酸素と結び付き、酸素の多いところでは酸素をはなす性質がある。
- エ血液中の赤血球に含まれ、酸素の多いところでは酸素と結び付き、酸素の少ないところでは酸素をはなす性質がある。
解答・解説
答え エ 血液中の赤血球に含まれ、酸素の多いところでは酸素と結び付き、酸素の少ないところでは酸素をはなす性質がある。
ヘモグロビンは赤血球に含まれる赤い色素です。
酸素の多い肺では酸素と結び付き、酸素の少ない全身の細胞のところでは酸素をはなす。この性質があるから、肺で取り込んだ酸素を全身へ運べます。
白血球は細菌などをとらえる働き、血小板は出血を止める働きです。
大問2 自由研究レポート¶
〔問1〕(4点)¶
<レポート1>身近な岩石に含まれる化石について
石材aにはフズリナ、石材bにはアンモナイト、石材cにはサンゴの化石が含まれていた。
次の文章の ① と ② にあてはまるものの組み合わせとして適切なのはどれか。
「石材aに含まれるフズリナの化石と石材bに含まれるアンモナイトの化石のうち、地質年代の古いものは ① である。また、石材cに含まれるサンゴの化石のように、その化石を含む地層が堆積した当時の環境を示す化石を ② という。」
- ア① 石材aに含まれるフズリナの化石 ② 示相化石
- イ① 石材aに含まれるフズリナの化石 ② 示準化石
- ウ① 石材bに含まれるアンモナイトの化石 ② 示相化石
- エ① 石材bに含まれるアンモナイトの化石 ② 示準化石
解答・解説
答え ア ① 石材aに含まれるフズリナの化石 ② 示相化石
① フズリナは古生代、アンモナイトは中生代の示準化石です。古生代の方が古いので、古いのはフズリナ(石材a)。
② サンゴはあたたかく浅い海でしか育たないので、堆積した当時の環境を教えてくれます。このような化石を示相化石といいます。
いっぽう示準化石は、限られた時代だけに広く栄えた生物の化石で、地層ができた年代を知る手がかりになります。
〔問2〕(4点)¶
<レポート2>金属を取り出せる岩石について
不純物を含まない人工的に作られたクジャク石の粉0.20gを加熱し、完全に反応させ、0.13gの黒色の固体(酸化銅)を得た。
また、銅の質量とその銅を加熱して得られる酸化銅の質量の関係を調べ、次の資料を得た。
銅の質量〔g〕:0.08/0.12/0.16/0.20/0.24/0.28
加熱して得られる酸化銅の質量〔g〕:0.10/0.15/0.20/0.25/0.30/0.35
人工的に作られたクジャク石の粉0.20gに含まれる銅の割合として適切なのはどれか。
- ア20%
- イ52%
- ウ65%
- エ80%
解答・解説
答え イ 52%
表から、銅と酸化銅の質量の比は 0.20 : 0.25 = 4 : 5(どの組で計算しても同じ比になります)。
得られた酸化銅は0.13gなので、その中の銅の質量は
\(0.13 \times \dfrac{4}{5} = 0.104\,\mathrm{g}\)
クジャク石の粉0.20gに対する割合は
\(\dfrac{0.104}{0.20} \times 100 = 52\,\%\)
よってイ。
〔問3〕(4点)¶
<レポート3>石英について
空気中で、方眼紙の上に置いた直方体のガラスに光源装置から光を当てた。光は境界面Qおよび境界面Rで折れ曲がり、方眼紙に引いた直線Lを通り過ぎた。光の道筋と直線Lとの交点を点Pとした。(直線L上で、Sは上向き、Tは下向きを表す。)
境界面Qと境界面Rのうち、光源装置から出た光が通過するとき入射角より屈折角が大きくなる境界面と、厚さを2倍にした直方体のガラスに入れ替えて同じ実験をしたときの点Pの位置の変化について述べたものとを組み合わせたものとして適切なのはどれか。
- ア境界面Q / 点Pの位置は、Sの方向にずれる。
- イ境界面R / 点Pの位置は、Sの方向にずれる。
- ウ境界面Q / 点Pの位置は、Tの方向にずれる。
- エ境界面R / 点Pの位置は、Tの方向にずれる。
解答・解説
答え エ 境界面R / 点Pの位置は、Tの方向にずれる。
境界面Qは空気→ガラスなので、光は境界面に近づくように曲がり 入射角 > 屈折角。
境界面Rはガラス→空気なので、光は境界面から遠ざかるように曲がり 入射角 < 屈折角。よって屈折角が大きくなるのは境界面Rです。
ガラスを通り抜けた光は、入ってきた光と平行に、少し横にずれて進みます。ガラスを厚くするとこのずれが大きくなります。この実験では光が右上がりに進んでいるので、ずれが大きくなると点Pは下(Tの方向)へ移動します。よってエ。
〔問4〕(4点)¶
<レポート4>生物由来の岩石について
ある生態系を構成する生物どうしの数量的な関係は、ピラミッドのような形(上から①②③④)で表すことができ、食べられる側の生物の数のほうが、食べる側の生物の数よりも多くなることが分かった。
<資料>生態系Vには、生物w、生物x、生物y、生物zがいる。生態系Vにおいて、生物wは生物xを食べ、生物xは生物yを食べ、生物yは生物zを食べる。
生態系Vにおいて、ピラミッドの③にあてはまるものとして適切なのはどれか。
- ア生物w
- イ生物x
- ウ生物y
- エ生物z
解答・解説
答え ウ 生物y
食べる・食べられるの関係は w → x → y → z(wが一番上の消費者)。
食べられる側ほど数が多いので、数の多い順は z > y > x > w。
ピラミッドは下ほど数が多いので、上から順に
① w ② x ③ y ④ z
よって③は生物yでウ。
大問3 太陽と地球の動き¶
〔問1〕(4点)¶
東京のX地点(北緯35.6°)で、ある年の6月のある日に太陽の動きを観察した。透明半球の中心Oで垂直に交わる線分ACと線分BDをかき、点Cが北の方角に一致するように固定して、8時から16時まで2時間ごとに太陽の位置を•印で記録した。•印を結んだ線を透明半球の縁までのばし、東側の交点をE、西側の交点をFとした。
観測日の南中高度をRとしたとき、Rを示した模式図として適切なのはどれか。ただし、図中の点Pは太陽が南中した時の透明半球上の太陽の位置を示している。
- ア点Aと中心Oを結ぶ線と、OPとの間の角
- イ点Cのある側で、水平面から点Pまでを測った角(Fの外側にとった角)
- ウ南の方角(点A)を向いた水平面と、OPとの間の角
- エ中心Oのまわりで、OBとOPとの間の角
解答・解説
答え ウ 南の方角(点A)を向いた水平面と、OPとの間の角
南中高度とは、太陽が真南に来たとき(南中したとき)の、南の地平線から太陽までの角度のことです。
この観察では点Cを北に合わせているので、その反対側の点Aが南になります。したがって南中高度Rは、点Aの方向の水平面と、中心Oから南中した太陽の位置Pへ引いた線OPとの間の角です。
ウの図だけがこの角を正しく示しています。ほかは北側から測っていたり、天頂からの角(=90°−南中高度)を示していたりします。
〔問2〕(4点)¶
2時間ごとに記録した透明半球上の•印の間隔は、どれも5.2cmであった。このことから、地球上での太陽の見かけ上の動く速さについてどのようなことが分かるか。「2時間ごとに記録した透明半球上の•印のそれぞれの間隔は、」に続く形で、理由も含めて簡単に書きなさい。
解答・解説
答え 記述問題(自分で書いてから、下の解説と見くらべましょう)
正答例
(2時間ごとに記録した透明半球上の•印のそれぞれの間隔は、)どれも等しいため、地球上での太陽の見かけ上の動く速さは一定であることが分かる。
速さは「動いた距離 ÷ かかった時間」です。同じ2時間のあいだに同じ5.2cmずつ動いているので、速さはいつも同じ=一定だと言えます。これは地球が一定の速さで自転しているからです。
自分で確かめるポイント
- 「どれも等しい(同じである)」という事実を書けているか
- そこから「速さは一定である」と結論づけているか
- 指定された書き出しに自然につながる文になっているか
〔問3〕(4点)¶
北極点の真上から見た地球を模式的に表した図がある。点J、点K、点L、点Mは、それぞれ東京のX地点(北緯35.6°)の6時間ごとの位置を示しており、点Jは南中した太陽が見える位置である。(図では太陽からの光が左から当たっており、地球のまわりに I(上側)と II(下側)の矢印が示されている。)
地球の自転の向きについて述べた次の文章の ①〜④ にあてはまるものの組み合わせとして適切なのはどれか。
「地球上では太陽は見かけ上、① に移動して見えることが分かる。また、東の空に太陽が見えるのは点 ② の位置であり、西の空に太陽が見えるのは点 ③ の位置である。そのため地球は、④ の方向に自転していると考えられる。」
- ア① 西の空から東の空 ② K ③ M ④ I
- イ① 東の空から西の空 ② K ③ M ④ II
- ウ① 西の空から東の空 ② M ③ K ④ I
- エ① 東の空から西の空 ② M ③ K ④ II
解答・解説
答え エ ① 東の空から西の空 ② M ③ K ④ II
① 太陽は東からのぼって西に沈むので「東の空から西の空」。
②③ 点Jが南中(正午)です。その6時間前が日の出=太陽が東の空に見える位置、6時間後が日の入り=西の空に見える位置。図で順にたどると、東の空に見えるのがM、西の空に見えるのがKです。
④ M(朝)→ J(正午)→ K(夕方)と進む向きが自転の向きで、図のIIの方向(北極上空から見て反時計回り)になります。
よってエ。
〔問4〕(4点)¶
6月の観察(観察1)と9月の観察(観察2)を比べると、観察1でかいた曲線の長さは約37.7cm、観察2でかいた曲線の長さは約33.8cmであった。
また、観察1を行った日の地球の模式図において、X地点は観察を行った地点、Y地点は北半球にありX地点より高緯度の地点を示している。
<結果2>から分かることを次の①、②から一つ、X地点とY地点における夜の長さを比較したとき夜の長さが長い地点を下の③、④から一つ、それぞれ選び、組み合わせたものとして適切なのはどれか。
① 日の入りの位置は、観察1の日の方が観察2の日よりも北寄りで、昼の長さは観察1の日の方が観察2の日よりも長い。
② 日の入りの位置は、観察1の日の方が観察2の日よりも南寄りで、昼の長さは観察2の日の方が観察1の日よりも長い。
③ X地点 ④ Y地点
- ア①, ③
- イ①, ④
- ウ②, ③
- エ②, ④
解答・解説
答え ア ①, ③
前半(①か②か)
透明半球にかいた曲線は太陽の通り道です。観察1(6月)の方が37.7cm と長いので、太陽が空にいる時間=昼の長さが長い。6月は夏至のころで、日の出・日の入りの位置は真東・真西より北寄りになります。よって①が正しい。
後半(③か④か)
6月の北半球は夏。このとき高緯度ほど昼が長く、夜が短くなります(北極付近では白夜)。Y地点はX地点より高緯度なので、Y地点の方が夜は短い。つまり夜が長いのはX地点で③。
組み合わせてア。
大問4 植物の働き¶
〔問1〕(4点)¶
オオカナダモの葉のプレパラートを作り、顕微鏡で観察をする準備を行う際に、プレパラートと対物レンズを、最初に、できるだけ近づけるときの手順について述べたものと、対物レンズが20倍で接眼レンズが10倍である顕微鏡の倍率とを組み合わせたものとして適切なのはどれか。
- ア接眼レンズをのぞきながら、調節ねじを回してプレパラートと対物レンズをできるだけ近づける。 / 200倍
- イ顕微鏡を横から見ながら、調節ねじを回してプレパラートと対物レンズをできるだけ近づける。 / 200倍
- ウ接眼レンズをのぞきながら、調節ねじを回してプレパラートと対物レンズをできるだけ近づける。 / 30倍
- エ顕微鏡を横から見ながら、調節ねじを回してプレパラートと対物レンズをできるだけ近づける。 / 30倍
解答・解説
答え イ 顕微鏡を横から見ながら、調節ねじを回してプレパラートと対物レンズをできるだけ近づける。 / 200倍
手順:最初に近づけるときは、必ず顕微鏡を横から見ながら行います。接眼レンズをのぞいたまま近づけると、対物レンズがプレパラートにぶつかって割ってしまうおそれがあるからです。近づけたあとは、のぞきながら遠ざける向きにピントを合わせます。
倍率:顕微鏡の倍率は 接眼レンズの倍率 × 対物レンズの倍率 なので \(10 \times 20 = 200\) 倍。
よってイ。30倍は足し算(10+20)にしてしまったときの誤答です。
〔問2〕(4点)¶
植物の光合成や呼吸による、酸素と二酸化炭素の出入りをまとめた<資料>がある。
「植物の ⑤ による ③ の吸収と ④ の放出は、【光が ① とき】には見られるが、【光が ② とき】には見られない。」
また模式図では、【光が①とき】には ③→⑤→④ の流れと ④→⑥→③ の流れの両方が見られ、【光が②とき】には ④→⑥→③ の流れだけが見られる。
①〜⑥にあてはまるものの組み合わせとして適切なのはどれか。
- ア① 十分に当たる ② 当たらない ③ 二酸化炭素 ④ 酸素 ⑤ 光合成 ⑥ 呼吸
- イ① 十分に当たる ② 当たらない ③ 酸素 ④ 二酸化炭素 ⑤ 呼吸 ⑥ 光合成
- ウ① 当たらない ② 十分に当たる ③ 二酸化炭素 ④ 酸素 ⑤ 光合成 ⑥ 呼吸
- エ① 当たらない ② 十分に当たる ③ 酸素 ④ 二酸化炭素 ⑤ 呼吸 ⑥ 光合成
解答・解説
答え ア ① 十分に当たる ② 当たらない ③ 二酸化炭素 ④ 酸素 ⑤ 光合成 ⑥ 呼吸
光合成は光がないとできません。二酸化炭素を吸収して酸素を放出します。
呼吸は昼も夜もいつも行われています。酸素を吸収して二酸化炭素を放出します。
模式図で「光が①のとき」だけに見られる流れ ③→⑤→④ が光合成なので
① 十分に当たる ② 当たらない ⑤ 光合成 ⑥ 呼吸
③ 二酸化炭素(吸収するもの) ④ 酸素(放出するもの)
よってア。
〔問3〕(4点)¶
<結果>より
(1) 実験の最初、オオカナダモA・Bの葉の細胞内には、緑色の粒がそれぞれ多数観察された。
(2) 2日間暗い場所に置いたあとは、A・Bとも緑色の粒と同じ形の粒は透明であった(ヨウ素液で染まらなかった)。
(3) そのあと、Aは光が十分に当たる場所に、Bはアルミニウムはくで覆って光が入らないようにして3日間置いたところ、Aの粒は青紫色に染色され、Bの粒は透明のままであった。
<結果>の(1)〜(3)から分かることとして適切なのはどれか。
- ア光が十分に当たる場所では、オオカナダモの葉の核でデンプンが作られることが分かる。
- イ光が十分に当たる場所では、オオカナダモの葉の核でアミノ酸が作られることが分かる。
- ウ光が十分に当たる場所では、オオカナダモの葉の葉緑体でデンプンが作られることが分かる。
- エ光が十分に当たる場所では、オオカナダモの葉の葉緑体でアミノ酸が作られることが分かる。
解答・解説
答え ウ 光が十分に当たる場所では、オオカナダモの葉の葉緑体でデンプンが作られることが分かる。
ヨウ素液はデンプンがあると青紫色に変わります(ヨウ素デンプン反応)。
染まったのは「最初に観察された緑色の粒と同じ形の粒」=葉緑体です。
さらに、光を当てたAだけが染まり、光を当てなかったBは染まらなかったので、光が必要だと分かります。
まとめると「光が十分に当たる場所では、葉緑体でデンプンが作られる」。よってウ。
アミノ酸はタンパク質のもとで、この実験では確かめられません。
大問5 水溶液¶
〔問1〕(4点)¶
<実験1>ビーカーAに蒸留水、ビーカーBに5%の塩化ナトリウム水溶液、ビーカーCに5%の砂糖水を入れ、それぞれに約3Vの電圧を加え、電流が流れるか調べた。
<結果1>ビーカーA:電流が流れなかった。/ビーカーB:電流が流れた。/ビーカーC:電流が流れなかった。
<結果1>から、ビーカーBの水溶液の溶質の説明と、ビーカーCの水溶液の溶質の説明とを組み合わせたものとして適切なのはどれか。
- アB:蒸留水に溶け、電離する。 / C:蒸留水に溶け、電離する。
- イB:蒸留水に溶け、電離する。 / C:蒸留水に溶けるが、電離しない。
- ウB:蒸留水に溶けるが、電離しない。 / C:蒸留水に溶け、電離する。
- エB:蒸留水に溶けるが、電離しない。 / C:蒸留水に溶けるが、電離しない。
解答・解説
答え イ B:蒸留水に溶け、電離する。 / C:蒸留水に溶けるが、電離しない。
水溶液に電流が流れるのは、溶質が水に溶けてイオンに分かれる(電離する)ときです。このような物質を電解質といいます。
ビーカーB(塩化ナトリウム)は電流が流れたので、溶けて電離する電解質です(Na⁺ と Cl⁻ に分かれる)。
ビーカーC(砂糖)は水に溶けてはいますが電流が流れなかったので、電離しない非電解質です。
よってイ。
〔問2〕(4点)¶
<実験2>試験管Aに27℃の蒸留水5g(5cm³)と硝酸カリウム3gを入れ、よくふり混ぜたところ溶け残った。これを27℃から60℃までゆっくり温めたところ、約38℃ですべて溶けた。
<結果2>と、硝酸カリウムの溶解度が温度とともに大きくなる資料から、温度計が60℃を示すまで温めたときの試験管Aの水溶液の温度と質量パーセント濃度の変化との関係を模式的に示した図として適切なのはどれか。(横軸は27℃、38℃、49℃、60℃)
- ア27℃から60℃まで、濃度が少しずつ上がり続ける棒グラフ
- イ27℃が最も高く、そこから60℃まで濃度が下がり続ける棒グラフ
- ウ27℃と38℃が同じ高さで、そのあと49℃、60℃と下がる棒グラフ
- エ27℃より38℃が高くなり、38℃・49℃・60℃は同じ高さのままの棒グラフ
解答・解説
答え エ 27℃より38℃が高くなり、38℃・49℃・60℃は同じ高さのままの棒グラフ
質量パーセント濃度は 溶質の質量 ÷ 水溶液全体の質量 × 100 です。
27℃→38℃:まだ溶け残りがあるので、温度が上がるにつれて溶ける量が増え、濃度は上がります。
38℃ですべて溶ける:ここで溶質は3gすべてが溶けきります。
38℃→60℃:これ以上溶けるものがないので、溶質も水も量が変わらず、濃度は一定のままです。
したがって「27℃より38℃が高くなり、そのあとは同じ高さが続く」エが正解。
〔問3〕(4点)¶
<実験2>で、試験管B(塩化ナトリウム3gを27℃の蒸留水5gに加えたもの)は、27℃→60℃→27℃→20℃と温度を変えても中の様子に変化がなかった。その理由を、温度の変化と溶解度の変化の関係に着目して、「<資料>から、」に続く形で簡単に書きなさい。
(<資料>のグラフでは、硝酸カリウムの溶解度は温度とともに大きく増えるのに対し、塩化ナトリウムの溶解度は約38gのままほぼ水平である。)
解答・解説
答え 記述問題(自分で書いてから、下の解説と見くらべましょう)
正答例
(<資料>から、)塩化ナトリウムの溶解度は、温度によってほとんど変化しないものであるため。
溶け残りが増えたり減ったりするのは、温度によって溶解度が変わるからです。塩化ナトリウムはグラフがほぼ水平で、温度を上げても下げても溶ける量がほとんど変わりません。だから温めても冷やしても見た目に変化がなかったのです。
自分で確かめるポイント
- 「塩化ナトリウムの溶解度」について書けているか
- 「温度が変わってもほとんど変化しない」ことを書けているか
- 指定された書き出しに自然につながる文になっているか
〔問4〕(4点)¶
<結果2>から、水溶液の溶媒を蒸発させると溶質が得られることが分かった。
試験管Bの水溶液の温度が20℃のときと同じ濃度の塩化ナトリウム水溶液が0.35gあった場合、<資料>を用いて考えると、溶質を全て固体として取り出すために蒸発させる溶媒の質量として適切なのはどれか。
(<資料>より、20℃における塩化ナトリウムの溶解度は水100gあたり約38g。)
- ア約0.13g
- イ約0.21g
- ウ約0.25g
- エ約0.35g
解答・解説
答え ウ 約0.25g
試験管Bには溶け残りがあったので、20℃の水溶液は飽和水溶液です。
20℃では水100gに塩化ナトリウムが38gまで溶けるので、飽和水溶液138gの中身は「水100g+溶質38g」。
同じ濃度の水溶液0.35gの中身は
水:\(0.35 \times \dfrac{100}{138} \approx 0.254\,\mathrm{g}\)
溶質:\(0.35 \times \dfrac{38}{138} \approx 0.096\,\mathrm{g}\)
溶質を全て固体として取り出すには、溶媒(水)をすべて蒸発させる必要があるので、約0.25g。よってウ。
大問6 力学的エネルギー¶
〔問1〕(4点)¶
質量100gの物体に働く重力の大きさを1Nとする。
<実験1>(1) 力学台車と滑車を合わせた質量600gの物体を糸でばねばかりにつるし、ばねばかりをゆっくり一定の速さで真上に引き、物体を基準面から10cm持ち上げた。
(2) (1)と同じ質量600gの物体を、一端を金属の棒に結び付けた糸でばねばかりにつるし(動滑車を使う形)、同じように10cm持ち上げた。
<結果1>
(1):ばねばかりが示す力 6N/印が動いた距離 10cm/時間 25秒
(2):ばねばかりが示す力 3N/印が動いた距離 20cm/時間 45秒
(1)で物体を10cm持ち上げたときに「ばねばかりが糸を引く力」がした仕事の大きさと、(2)で「ばねばかりが糸を引く力」を作用としたときの反作用とを組み合わせたものとして適切なのはどれか。
- ア仕事 0.6J / 反作用は、力学台車と滑車を合わせた質量600gの物体に働く重力
- イ仕事 6J / 反作用は、力学台車と滑車を合わせた質量600gの物体に働く重力
- ウ仕事 0.6J / 反作用は、糸がばねばかりを引く力
- エ仕事 6J / 反作用は、糸がばねばかりを引く力
解答・解説
答え ウ 仕事 0.6J / 反作用は、糸がばねばかりを引く力
仕事=力〔N〕×距離〔m〕。(1)では6Nの力で0.1m(10cm)動かしたので
\(6 \times 0.1 = 0.6\,\mathrm{J}\)
(cmのまま6×10=60としないよう注意。6Jは距離を1mとしたときの誤答です。)
反作用:作用・反作用の法則では、2つの力は同じ2つの物体のあいだで、向きが反対に働きます。「ばねばかりが糸を引く力」の反作用は、同じ2物体の間で逆向きの「糸がばねばかりを引く力」です。
物体に働く重力は地球と物体の間の力なので、反作用にはなりません。
よってウ。
〔問2〕(4点)¶
<実験2>斜面の傾きを10°にし、力学台車の先端を点Aに静止させ、静かに手をはなして点Bの車止めに当たる直前までの運動を、1秒間に50回打点する記録タイマーで記録した。基準点から5打点間隔ごとに長さを測った。また、斜面の傾きを20°に変えて同じ実験を行った。
<結果2>
図4(10°):2.2cm、3.6cm、5.0cm、6.4cm、7.8cm、9.2cm、10.6cm
図5(20°):4.4cm、7.2cm、10.0cm、12.8cm、15.6cm
次の文章の ① と ② にあてはまるものを選びなさい。
「斜面の傾きが10°のときの記録テープの基準点が打点されてから0.4秒経過するまでの力学台車の平均の速さをCとすると、Cは ① である。また、斜面の傾きが20°のときの同じく0.4秒経過するまでの平均の速さをDとしたとき、CとDの比を最も簡単な整数の比で表すと C:D = ② となる。」
① ア 16cm/s イ 32cm/s ウ 43cm/s エ 64cm/s
② ア 1:1 イ 1:2 ウ 2:1 エ 14:15
<結果2> 記録タイマーは1秒間に50回打点(5打点間隔=0.1秒)
| 5打点ごとの長さ〔cm〕 | |
|---|---|
| 図4(10°) | 2.2/3.6/5.0/6.4/7.8/9.2/10.6 |
| 図5(20°) | 4.4/7.2/10.0/12.8/15.6 |
解答・解説
答え ① ウ ② イ
記録タイマーは1秒間に50回打点するので、1打点の間隔は0.02秒。5打点間隔=0.1秒です。
したがって0.4秒=4区間分。
①(10°のとき)
最初の4区間の長さの合計は
\(2.2 + 3.6 + 5.0 + 6.4 = 17.2\,\mathrm{cm}\)
平均の速さ \(C = \dfrac{17.2}{0.4} = 43\,\mathrm{cm/s}\) → ウ
②(20°のとき)
\(4.4 + 7.2 + 10.0 + 12.8 = 34.4\,\mathrm{cm}\)
\(D = \dfrac{34.4}{0.4} = 86\,\mathrm{cm/s}\)
\(C : D = 43 : 86 = 1 : 2\) → イ
斜面を急にすると、斜面に平行な分力が大きくなって速さの増え方も大きくなります。
〔問3〕(4点)¶
<結果2>から、<実験2>で斜面の傾きを10°から20°にしたとき、点Aから点Bの直前まで斜面を下る力学台車に働く重力の大きさと、力学台車に働く重力を斜面に平行な方向と斜面に垂直な方向の二つの力に分解したときの斜面に平行な方向に分解した力の大きさとを述べたものとして適切なのはどれか。
- ア力学台車に働く重力の大きさは変わらず、斜面に平行な分力は大きくなる。
- イ力学台車に働く重力の大きさは大きくなり、斜面に平行な分力も大きくなる。
- ウ力学台車に働く重力の大きさは大きくなるが、斜面に平行な分力は変わらない。
- エ力学台車に働く重力の大きさは変わらず、斜面に平行な分力も変わらない。
解答・解説
答え ア 力学台車に働く重力の大きさは変わらず、斜面に平行な分力は大きくなる。
重力の大きさは物体の質量だけで決まります。斜面の角度を変えても台車の質量は同じなので、重力は変わりません。
斜面に平行な分力は、斜面を急にするほど大きくなります。実際、<結果2>で20°のときのテープの間隔(4.4cm→7.2cm→…)は10°のとき(2.2cm→3.6cm→…)より広がり方が大きく、速さの増え方=台車を加速させる力が大きいことが分かります。
よってア。
〔問4〕(4点)¶
<実験1>の位置エネルギーと<実験2>の運動エネルギーの大きさについて述べた次の文章の ① と ② にあてはまるものの組み合わせとして適切なのはどれか。
「<実験1>の(1)と(2)で、ばねばかりをゆっくり一定の速さで引きはじめてから25秒経過したときの力学台車の位置エネルギーの大きさを比較すると ①。」
((1)は6Nで印が10cm動くのに25秒、(2)は3Nで印が20cm動くのに45秒かかった。)
「<実験2>の(2)と(4)で、力学台車が点Aから点Bの位置にある車止めに当たる直前まで下ったとき、力学台車のもつ運動エネルギーの大きさを比較すると ②。」
((2)は斜面10°、(4)は斜面20°で、どちらも同じ点Aから同じ点Bまで下る。)
- ア① <実験1>の(1)と(2)で等しい / ② <実験2>の(2)と(4)で等しい
- イ① <実験1>の(1)と(2)で等しい / ② <実験2>の(4)の方が大きい
- ウ① <実験1>の(1)の方が大きい / ② <実験2>の(2)と(4)で等しい
- エ① <実験1>の(1)の方が大きい / ② <実験2>の(4)の方が大きい
解答・解説
答え エ ① <実験1>の(1)の方が大きい / ② <実験2>の(4)の方が大きい
① 位置エネルギーは高さで決まります(質量は同じ)。
(1):25秒で印が10cm動き、台車も10cm上がります(このとき持ち上げ完了)。
(2):45秒かけて印が20cm動きますが、これは動滑車なので台車が上がるのは半分の10cm。25秒の時点では、印は \(20 \times \dfrac{25}{45} \approx 11.1\,\mathrm{cm}\) しか動いておらず、台車の高さはその半分の約5.6cmにしかなっていません。
よって25秒の時点では(1)の方が高く、位置エネルギーが大きい。
② 斜面を下るとき、減った位置エネルギーがそのまま運動エネルギーになります。点Aと点Bは同じ場所ですが、斜面の傾きを変えているので、20°のときの方が点Aは高い位置にあります。高いところから下る(4)の方が位置エネルギーの減少が大きく、車止めに当たる直前の運動エネルギーも大きくなります。
組み合わせてエ。
答え一覧¶
見直し用です。考え方は各問題の「解答・解説」を開いてください。
| 大問 | 問 | 答え |
|---|---|---|
| 1 | 〔問1〕 | エ |
| 1 | 〔問2〕 | イ |
| 1 | 〔問3〕 | ウ |
| 1 | 〔問4〕 | ア |
| 1 | 〔問5〕 | イ |
| 1 | 〔問6〕 | エ |
| 2 | 〔問1〕 | ア |
| 2 | 〔問2〕 | イ |
| 2 | 〔問3〕 | エ |
| 2 | 〔問4〕 | ウ |
| 3 | 〔問1〕 | ウ |
| 3 | 〔問2〕 | 記述 |
| 3 | 〔問3〕 | エ |
| 3 | 〔問4〕 | ア |
| 4 | 〔問1〕 | イ |
| 4 | 〔問2〕 | ア |
| 4 | 〔問3〕 | ウ |
| 5 | 〔問1〕 | イ |
| 5 | 〔問2〕 | エ |
| 5 | 〔問3〕 | 記述 |
| 5 | 〔問4〕 | ウ |
| 6 | 〔問1〕 | ウ |
| 6 | 〔問2〕 | ① ウ ② イ |
| 6 | 〔問3〕 | ア |
| 6 | 〔問4〕 | エ |
出典・原本¶
問題・正答は東京都教育委員会の公開資料によります。原本は以下から確認できます。
- 令和6年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答表(東京都教育委員会)
解説はYELL for ALLが独自に作成したものです。図・表は原本の画像ではなく、問題文の条件や数値から作り直しています。