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いろいろな式の展開

展開公式の基本 の4つの公式を使えるようになったら、次はそのままでは公式が使えない式に挑戦します。


型1:かたまりを1つの文字とみる(置き換え)

\((x + y + 3)^2\) のように項が3つあると、公式がそのままでは使えません。 そこで、2つをひとかたまりと見て公式を使います。

置き換えの考え方

\[ (x + y + 3)^2 \]

\(x + y\) を \(M\) とおくと \((M + 3)^2\) になり、公式②が使えます。

例題1

\((x + y + 3)^2\) を展開しなさい。

解答

\(x + y = M\) とおきます。

\[ (M + 3)^2 = M^2 + 6M + 9 \]

\(M\) をもとに戻します。

\[ = (x + y)^2 + 6(x + y) + 9 \]
\[ = x^2 + 2xy + y^2 + 6x + 6y + 9 \]

どこをかたまりにするか

同じものが2回以上出てくる部分をかたまりにすると、うまくいきます。 この問題では \((x+y)\) が2乗の中に2回現れています。

例題2

\((a + b - c)(a + b + c)\) を展開しなさい。

解答

\(a + b\) が両方に出てきます。\(a + b = M\) とおくと

\[ (M - c)(M + c) = M^2 - c^2 \]

これは公式④(和と差の積)です。もとに戻して

\[ = (a + b)^2 - c^2 \]
\[ = a^2 + 2ab + b^2 - c^2 \]

\(-c^2\) の符号に注意

\(-c^2\) は \(-(c^2)\) であって \((-c)^2\) ではありません。 公式④の結果は必ず「\(-\)」がつきます。


型2:組み合わせを工夫する

かけ算の順番を変えると、公式が使えるようになることがあります。

例題3

\((x + 1)(x + 2)(x - 1)(x - 2)\) を展開しなさい。

解答

このまま前から順にかけると大変です。 \((x+1)\) と \((x-1)\)、\((x+2)\) と \((x-2)\) を組にすると、公式④が2回使えます。

\[ \{(x+1)(x-1)\}\{(x+2)(x-2)\} \]
\[ = (x^2 - 1)(x^2 - 4) \]

ここで \(x^2 = M\) とおくと

\[ (M-1)(M-4) = M^2 - 5M + 4 \]
\[ = x^4 - 5x^2 + 4 \]

見つけ方

和と差の組(\(+1\) と \(-1\) など)を探します。 前から順にかけるより、ずっと計算が楽になります。

例題4

\((x + 3)(x - 3)(x^2 + 9)\) を展開しなさい。

解答

前の2つに公式④を使います。

\[ (x^2 - 9)(x^2 + 9) \]

これもまた和と差の積の形なので、もう一度公式④が使えます。

\[ = (x^2)^2 - 9^2 = x^4 - 81 \]

型3:項が多い式の展開

公式が使えないときは、分配法則で1つずつかけるしかありません。 かけ忘れを防ぐため、順番を決めて進めます。

例題5

\((a + b)(x + y + z)\) を展開しなさい。

解答

前の各項を、後ろのすべての項にかけます。

\[ = a(x + y + z) + b(x + y + z) \]
\[ = ax + ay + az + bx + by + bz \]

項の数は \(2 \times 3 = 6\) 個になります。

項の数で検算する

\(m\) 項 × \(n\) 項なら、同類項をまとめる前は \(m \times n\) 項できます。 数が合わなければ、かけ忘れがあります。


計算を工夫する

展開公式は、数の計算にも使えます。

例題6

次を工夫して計算しなさい。

  1. \(103^2\)
  2. \(98^2\)
  3. \(52 \times 48\)
解答

(1) \(103 = 100 + 3\) とみて公式②

\[ (100 + 3)^2 = 100^2 + 2 \times 100 \times 3 + 3^2 \]
\[ = 10000 + 600 + 9 = 10609 \]

(2) \(98 = 100 - 2\) とみて公式③

\[ (100 - 2)^2 = 10000 - 400 + 4 = 9604 \]

(3) \(52 = 50 + 2\)、\(48 = 50 - 2\) とみて公式④

\[ (50 + 2)(50 - 2) = 50^2 - 2^2 = 2500 - 4 = 2496 \]

きりのよい数を見つける

\(100\) や \(50\) など、計算しやすい数を基準にして 「\(\bigcirc + \triangle\)」「\(\bigcirc - \triangle\)」の形に直すのがコツです。


練習問題

問1

次の式を展開しなさい。

  1. \((x + y + 1)^2\)
  2. \((a - b + 2)^2\)
  3. \((x + y + 3)(x + y - 3)\)
解答

(1) \(x + y = M\) とおいて

\[ (M+1)^2 = M^2 + 2M + 1 = (x+y)^2 + 2(x+y) + 1 \]
\[ = x^2 + 2xy + y^2 + 2x + 2y + 1 \]

(2) \(a - b = M\) とおいて

\[ (M+2)^2 = M^2 + 4M + 4 = (a-b)^2 + 4(a-b) + 4 \]
\[ = a^2 - 2ab + b^2 + 4a - 4b + 4 \]

(3) \(x + y = M\) とおいて公式④

\[ (M+3)(M-3) = M^2 - 9 = (x+y)^2 - 9 \]
\[ = x^2 + 2xy + y^2 - 9 \]

問2

\((x - 1)(x - 2)(x + 1)(x + 2)\) を展開しなさい。

解答

\((x-1)(x+1)\) と \((x-2)(x+2)\) を組にします。

\[ (x^2 - 1)(x^2 - 4) = x^4 - 5x^2 + 4 \]

問3

次を工夫して計算しなさい。

  1. \(101 \times 99\)
  2. \(47^2\)
解答

(1) \((100+1)(100-1) = 10000 - 1 = 9999\)

(2) \((50-3)^2 = 2500 - 300 + 9 = 2209\)

問4(応用)

\((x + 2)^2 - (x - 3)(x + 1)\) を計算しなさい。

解答

それぞれを展開してから引きます。

\[ (x+2)^2 = x^2 + 4x + 4 \]
\[ (x-3)(x+1) = x^2 - 2x - 3 \]
\[ (x^2 + 4x + 4) - (x^2 - 2x - 3) \]

引くときはかっこをつける

後ろの式全体を引くので、かっこをつけてから符号を変えます。 \(-x^2 + 2x + 3\) のように、すべての項の符号が変わります。

\[ = x^2 + 4x + 4 - x^2 + 2x + 3 = 6x + 7 \]

この単元のまとめ

  • 項が3つ以上なら、同じものが繰り返される部分を1文字に置き換える
  • 和と差の組を見つけると、公式④が使えて計算が楽になる
  • 公式が使えないときは分配法則。\(m \times n\) 項できることで検算する
  • \(103^2\) や \(52 \times 48\) のような数の計算にも公式が使える

次は 因数分解の応用 で、逆向きの操作を練習します。


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