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いろいろな因数分解

因数分解の基本 の公式を使えるようになったら、次はひと手間かかる式に挑戦します。


型1:かたまりを1つの文字とみる(置き換え)

例題1

\((x + y)^2 - 5(x + y) + 6\) を因数分解しなさい。

解答

\((x + y)\) が2回出てきます。\(x + y = M\) とおくと

\[ M^2 - 5M + 6 \]

たして \(-5\)、かけて \(6\) になる2数は \(-2\) と \(-3\) なので

\[ = (M - 2)(M - 3) \]

\(M\) をもとに戻します。

\[ = (x + y - 2)(x + y - 3) \]

置き換えたら必ず戻す

\(M\) のまま答えにしてはいけません。 最後にもとの式に戻すのを忘れないでください。

例題2

\((a - b)^2 - 9\) を因数分解しなさい。

解答

\(a - b = M\) とおくと \(M^2 - 9 = M^2 - 3^2\) なので公式④。

\[ = (M + 3)(M - 3) = (a - b + 3)(a - b - 3) \]

型2:共通因数でくくってから公式

共通因数を先にくくり出すのが鉄則です。くくったあとに公式が使えることがよくあります。

例題3

\(2x^2 - 8\) を因数分解しなさい。

解答

まず共通因数 \(2\) をくくり出します。

\[ = 2(x^2 - 4) \]

かっこの中に公式④が使えます。

\[ = 2(x + 2)(x - 2) \]

ここで止めない

\(2(x^2 - 4)\) で終わりにするのは不完全です。 「それ以上分解できないか」を必ず確認しましょう。

例題4

\(3ax^2 - 12ax + 12a\) を因数分解しなさい。

解答

共通因数は \(3a\) です。

\[ = 3a(x^2 - 4x + 4) \]

かっこの中は \(x^2 - 2 \cdot 2x + 2^2\) なので公式③(完全平方)。

\[ = 3a(x - 2)^2 \]

型3:4項の式(2つずつ組にする)

項が4つあるときは、2つずつ組にして共通因数を作ります。

例題5

\(ax + ay + bx + by\) を因数分解しなさい。

解答

前の2つ、後ろの2つで組にします。

\[ = a(x + y) + b(x + y) \]

\((x + y)\) が共通因数になったので、さらにくくります。

\[ = (x + y)(a + b) \]

組にするコツ

組にしたあと、同じかっこが現れるように分けます。 うまくいかないときは、組み合わせ方を変えてみましょう。

例題6

\(x^2 - xy + x - y\) を因数分解しなさい。

解答

前2つと後ろ2つで組にします。

\[ = x(x - y) + (x - y) \]

\((x - y)\) が共通です。後ろの \((x-y)\) は \(1 \times (x-y)\) と考えます。

\[ = (x - y)(x + 1) \]

型4:2乗の差とみる

一見すると公式が使えなくても、\(\bigcirc^2 - \triangle^2\) の形に見えることがあります。

例題7

\(x^2 - 4y^2\) を因数分解しなさい。

解答

\(4y^2 = (2y)^2\) なので

\[ x^2 - (2y)^2 = (x + 2y)(x - 2y) \]

例題8

\(x^2 + 6x + 9 - y^2\) を因数分解しなさい。

解答

前の3項が完全平方の形です。

\[ (x^2 + 6x + 9) - y^2 = (x + 3)^2 - y^2 \]

\((x+3)\) をかたまりとみると、2乗の差になっています。

\[ = (x + 3 + y)(x + 3 - y) \]

3項 + 1項に分ける

4項のうち3つが完全平方になっていたら、この形を疑います。 \(\bigcirc^2 - \triangle^2\) に持ち込むのが目標です。


計算を工夫する

因数分解も、数の計算に使えます。

例題9

次を工夫して計算しなさい。

  1. \(57^2 - 43^2\)
  2. \(2 \times 38^2 - 2 \times 12^2\)
解答

(1) 公式④の逆を使います。

\[ 57^2 - 43^2 = (57 + 43)(57 - 43) = 100 \times 14 = 1400 \]

(2) まず共通因数 \(2\) をくくり出します。

\[ 2(38^2 - 12^2) = 2(38 + 12)(38 - 12) \]
\[ = 2 \times 50 \times 26 = 2600 \]

そのまま計算すると大変

\(57^2 = 3249\)、\(43^2 = 1849\) と計算してから引くこともできますが、 因数分解を使えば暗算でも解けます。


練習問題

問1

次の式を因数分解しなさい。

  1. \((x + 1)^2 - 4\)
  2. \((a + b)^2 - 7(a + b) + 12\)
  3. \(3x^2 - 27\)
解答

(1) \(x + 1 = M\) とおくと \(M^2 - 4 = (M+2)(M-2)\)

\[ = (x + 3)(x - 1) \]

(2) \(a + b = M\) とおくと、たして \(-7\) かけて \(12\) は \(-3\) と \(-4\)

\[ = (a + b - 3)(a + b - 4) \]

(3) 共通因数 \(3\) をくくってから公式④

\[ = 3(x^2 - 9) = 3(x + 3)(x - 3) \]

問2

次の式を因数分解しなさい。

  1. \(ab - a + b - 1\)
  2. \(x^2 - 9y^2\)
解答

(1) 前2つと後ろ2つで組にします。

\[ = a(b - 1) + (b - 1) = (b - 1)(a + 1) \]

(2) \(9y^2 = (3y)^2\) なので

\[ = (x + 3y)(x - 3y) \]

問3

\(x^2 - 2xy + y^2 - 16\) を因数分解しなさい。

解答

前3項が完全平方です。

\[ (x - y)^2 - 16 = (x - y)^2 - 4^2 \]
\[ = (x - y + 4)(x - y - 4) \]

問4

次を工夫して計算しなさい。

  1. \(84^2 - 16^2\)
  2. \(99^2 - 1\)
解答

(1) \((84 + 16)(84 - 16) = 100 \times 68 = 6800\)

(2) \(99^2 - 1^2 = (99 + 1)(99 - 1) = 100 \times 98 = 9800\)

問5(応用)

\(x = 37\)、\(y = 13\) のとき、\(x^2 - y^2\) の値を求めなさい。

解答

代入する前に因数分解します。

\[ x^2 - y^2 = (x + y)(x - y) \]
\[ = (37 + 13)(37 - 13) = 50 \times 24 = 1200 \]

代入は最後に

\(37^2 = 1369\)、\(13^2 = 169\) と計算してから引くより、 因数分解してから代入するほうがずっと簡単です。 式を簡単にしてから代入するのが基本です。


この単元のまとめ

  • 共通因数を先にくくり出す。くくったあとも公式が使えないか確認する
  • 同じかたまりが繰り返されたら1文字に置き換える(最後に必ず戻す)
  • 4項なら2つずつ組にして共通因数を作る
  • \(\bigcirc^2 - \triangle^2\) の形が隠れていないか探す
  • \(57^2 - 43^2\) のような数の計算や、代入の前の式変形にも使える

次は 二次方程式の基本 で、因数分解を使って方程式を解きます。


もっと練習しよう

この分野の問題をもっと解きたいときは、因数分解 練習問題 に挑戦しよう。解説ページとはちがう問題です。