等式の変形¶
1. 等式を変形する「理由」¶
なぜ等式を変形するのか?¶
数学や理科では、さまざまな公式が登場する。たとえば:
この式は「速さ \(v\) を求める」ときには便利だが、「時間 \(t\) を求めたい」ときはどうだろう?
このように、知りたい文字が左辺にくるよう式を変形することを等式の変形(または「〜について解く」)という。
等式の変形が役立つ場面
- 理科の公式を使って、求めたい量を計算するとき
- 方程式の解き方の応用として
- 高校数学・入試での頻出テクニック
2. 等式の性質¶
等式を変形するには、等式の両辺に同じ操作をしても等式は成り立つという性質を使う。
| 操作 | 例 |
|---|---|
| 両辺に同じ数をたす | \(a = b \Rightarrow a + c = b + c\) |
| 両辺から同じ数をひく | \(a = b \Rightarrow a - c = b - c\) |
| 両辺に同じ数をかける | \(a = b \Rightarrow ac = bc\) |
| 両辺を同じ数(≠0)で割る | \(a = b \Rightarrow \dfrac{a}{c} = \dfrac{b}{c}\) |
0で割ることは禁止!
両辺を \(0\) で割ることはできない。変形するときは「0でない数で割る」に注意。
3. 特定の文字について解く¶
「\(x\) について解く」とは、式を \(x = \cdots\) の形に変形すること。
手順¶
- 求めたい文字を含む項を左辺に、それ以外を右辺に移項する
- 必要であれば両辺をかけたり割ったりして、係数を \(1\) にする
例題1¶
解答
\(x\) を含む項を左辺に移す。
両辺を \(3\) で割る。
例題2¶
解答
\(y\) を含む項を左辺に移す。
両辺を \(3\) で割る。
例題3(分数を含む場合)¶
解答
両辺に \(2\) をかけて分母を払う。
\(a\) を右辺に移項する。
例題4(理科の公式)¶
速さ・時間・距離の関係式
解答
両辺を \(v\) で割る(\(v \neq 0\))。
理科との連携
理科では \(v = \frac{x}{t}\)、\(x = vt\)、\(t = \frac{x}{v}\) の3つを覚えるが、等式の変形を使えば1つ覚えれば残り2つは導ける。
4. よくあるミスと注意点¶
移項するときは符号が変わる¶
分数・かっこは先に処理する¶
両辺に \(c\) をかけてから変形する:
分子ごとかけることに注意
\(\dfrac{ax + b}{c}\) の両辺に \(c\) をかけると、分子全体 \(ax + b\) にかかる。\(ax + bc\) とするミスに注意!
5. 練習問題¶
練習問題1¶
次の等式を \([ \quad ]\) 内の文字について解け。
(1) \(y = 5x + 1\) \([x]\)
解答
(2) \(3x - 4y = 12\) \([y]\)
解答
(3) \(S = \frac{1}{2}ah\) \([h]\)
解答
両辺に \(2\) をかける。
両辺を \(a\) で割る。
(4) \(\frac{x + y}{3} = z\) \([x]\)
解答
両辺に \(3\) をかける。
(5) \(2(x + a) = b\) \([x]\)
解答
両辺を \(2\) で割る(または先にかっこを展開してもよい)。
練習問題2(応用)¶
(1) 台形の面積の公式 \(S = \frac{(a + b)h}{2}\) を \(a\) について解け。
解答
両辺に \(2\) をかける。
両辺を \(h\) で割る。
(2) \(3x + 2y = 6\) を \(y\) について解き、\(x = 4\) のときの \(y\) の値を求めよ。
解答
まず \(y\) について解く。
\(x = 4\) を代入。
(3)(発展) \(ax - b = cx + d\) を \(x\) について解け。
解答
\(x\) を含む項を左辺にまとめる。
左辺を因数分解する。
両辺を \((a - c)\) で割る(\(a \neq c\))。
まとめ¶
この章のポイント
- 等式の変形とは、知りたい文字 = ~ の形に式を整理すること。
- 両辺に同じ操作(加減乗除)をしても等式は成り立つ。ただし0での除算は不可。
- 手順は「求めたい文字を左辺、それ以外を右辺に移項 → 係数で割る」。
- 理科の公式も等式の変形で自在に使いこなせる!