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三角形と四角形の性質


二等辺三角形

2つの辺が等しい三角形です。等しい2辺にはさまれた角を頂角、残りの2角を底角といいます。

二等辺三角形の性質

  1. 2つの底角は等しい
  2. 頂角の二等分線は、底辺を垂直に2等分する

性質1の証明(底角が等しい)

頂角 A の二等分線を引き、底辺 BC との交点を D とします。

\(\triangle ABD\) と \(\triangle ACD\) において

  • ① \(AB = AC\) …(仮定)
  • ② \(\angle BAD = \angle CAD\) …(AD は \(\angle A\) の二等分線)
  • ③ \(AD = AD\) …(共通な辺)

①②③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので \(\triangle ABD \equiv \triangle ACD\)。

合同な図形の対応する角は等しいので \(\angle B = \angle C\)。

この証明はラボで練習できます

合同と証明 のページにある証明組み立てラボで、 この証明を1段階ずつ組み立てられます。

二等辺三角形になる条件(逆)

逆も成り立つ

2つの角が等しい三角形は、二等辺三角形である。

つまり \(\angle B = \angle C\) なら \(AB = AC\) がいえます。

角から辺を導けるので、証明でよく使います。

正三角形

3辺が等しい三角形です。3つの角はすべて \(60°\) になります。


直角三角形の合同条件

直角三角形には、ふつうの合同条件に加えて2つ使えます。

直角三角形の合同条件

2つの直角三角形で、次のどちらかが成り立てば合同です。

  1. 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい
  2. 斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい

「斜辺」が必ず入る

どちらの条件にも斜辺が含まれます。 斜辺でない2辺が等しいだけでは、この条件は使えません。


平行四辺形

2組の向かい合う辺がそれぞれ平行な四角形です。これが定義です。

平行四辺形の性質

  1. 2組の向かい合う辺はそれぞれ等しい
  2. 2組の向かい合う角はそれぞれ等しい
  3. 対角線はそれぞれの中点で交わる

性質1の証明(向かい合う辺が等しい)

対角線 AC を引きます。

\(\triangle ABC\) と \(\triangle CDA\) において

  • ① \(\angle BAC = \angle DCA\) …(\(AB \parallel DC\) で錯角)
  • ② \(\angle ACB = \angle CAD\) …(\(AD \parallel BC\) で錯角)
  • ③ \(AC = CA\) …(共通な辺)

①②③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので \(\triangle ABC \equiv \triangle CDA\)。

対応する辺は等しいので \(AB = CD\)、\(BC = DA\)。


平行四辺形になる条件

5つあります。証明でどれを使うか選べるようにしておきましょう。

平行四辺形になる条件

次のどれか1つが成り立てば、平行四辺形です。

  1. 2組の向かい合う辺がそれぞれ平行(定義)
  2. 2組の向かい合う辺がそれぞれ等しい
  3. 2組の向かい合う角がそれぞれ等しい
  4. 対角線がそれぞれの中点で交わる
  5. 1組の向かい合う辺が、平行でその長さが等しい

5番目がいちばん使いやすい

条件5は「1組だけ」調べればよいので、証明では最もよく使います。 「平行」と「長さが等しい」の両方が必要な点に注意してください。


特別な平行四辺形

平行四辺形に条件を追加すると、長方形・ひし形・正方形になります。

図形 追加される条件 対角線の性質
長方形 4つの角が等しい(すべて \(90°\)) 長さが等しい
ひし形 4つの辺が等しい 垂直に交わる
正方形 4角も4辺も等しい 長さが等しく、垂直に交わる
平行四辺形 長方形 角が等しい ひし形 辺が等しい 正方形
平行四辺形に条件を加えると、長方形・ひし形・正方形になる

対角線で見分ける

  • 対角線の長さが等しい → 長方形
  • 対角線が垂直 → ひし形
  • 両方 → 正方形

面積が等しい三角形

底辺が共通で、高さが等しい三角形

\(\ell \parallel m\) のとき、\(\ell\) 上のどこに頂点をとっても、 底辺が同じなら三角形の面積は等しくなります。

\[ \triangle ABC = \triangle DBC \quad (\ell \parallel m,\ \text{底辺 } BC \text{ が共通}) \]

底辺と高さが変わらないので、面積 \(= \dfrac{1}{2} \times\) 底辺 \(\times\) 高さ も変わりません。

この性質は「面積を変えずに図形を変形する」問題で使います。


例題

例題1

平行四辺形 ABCD で、\(\angle A = 70°\) のとき、\(\angle B\)、\(\angle C\)、\(\angle D\) を求めなさい。

解答

向かい合う角は等しいので

\[ \angle C = \angle A = 70° \]

\(AD \parallel BC\) で、\(\angle A\) と \(\angle B\) は同じ側の内角なので和が \(180°\)(または「となり合う角の和は \(180°\)」)

\[ \angle B = 180° - 70° = 110°, \qquad \angle D = \angle B = 110° \]

例題2

平行四辺形 ABCD の対角線の交点を O とする。 O を通る直線が辺 AB、DC と交わる点をそれぞれ P、Q とするとき、\(OP = OQ\) を証明しなさい。

解答

【仮定】 平行四辺形 ABCD、O は対角線の交点 【結論】 \(OP = OQ\)

(証明)

\(\triangle OAP\) と \(\triangle OCQ\) において

  • ① \(OA = OC\) …(平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わる)
  • ② \(\angle AOP = \angle COQ\) …(対頂角は等しい)
  • ③ \(\angle OAP = \angle OCQ\) …(\(AB \parallel DC\) で錯角は等しい)

①②③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので

\[ \triangle OAP \equiv \triangle OCQ \]

合同な図形の対応する辺は等しいので

\[ OP = OQ \]

(証明終わり)


練習問題

問1

二等辺三角形 ABC(\(AB = AC\))で、\(\angle A = 40°\) のとき、\(\angle B\) を求めなさい。

解答

底角は等しいので、\(\angle B = \angle C\)。内角の和より

\[ \angle B = \frac{180° - 40°}{2} = \frac{140°}{2} = 70° \]

問2

二等辺三角形 ABC(\(AB = AC\))で、\(\angle B = 55°\) のとき、\(\angle A\) を求めなさい。

解答

底角が等しいので \(\angle C = 55°\)。

\[ \angle A = 180° - 55° - 55° = 70° \]

どの角が底角か確認する

\(AB = AC\) なら、頂角は \(\angle A\)、底角は \(\angle B\) と \(\angle C\) です。 与えられた角が頂角か底角かで、計算が変わります。

問3

四角形 ABCD が平行四辺形になるものを、次からすべて選びなさい。

  1. \(AB \parallel DC\)、\(AD \parallel BC\)
  2. \(AB = DC\)、\(AD = BC\)
  3. \(AB \parallel DC\)、\(AB = DC\)
  4. \(AB \parallel DC\)、\(AD = BC\)
解答

(1)、(2)、(3)

  • (1) 定義そのもの
  • (2) 2組の向かい合う辺が等しい(条件2)
  • (3) 1組の向かい合う辺が平行で長さが等しい(条件5)
  • (4) これは平行四辺形とは限りません。等脚台形になる場合があります

(4) がまちがえやすい

「1組が平行」+「別の1組が等しい」では足りません。 条件5は「同じ1組が平行かつ等しい」です。

問4

ひし形 ABCD の対角線 AC、BD の交点を O とする。\(AC = 8\) cm、\(BD = 6\) cm のとき、ひし形の面積を求めなさい。

解答

ひし形の対角線は垂直に交わり、それぞれの中点で交わります。

ひし形は4つの直角三角形に分かれ、それぞれの直角をはさむ辺は \(4\) cm と \(3\) cm。

\[ 4 \times \left(\frac{1}{2} \times 4 \times 3\right) = 4 \times 6 = 24 \text{ cm}^2 \]

対角線から求める公式

\[ \text{ひし形の面積} = \frac{1}{2} \times (\text{対角線}) \times (\text{対角線}) = \frac{1}{2} \times 8 \times 6 = 24 \]

問5(応用)

平行四辺形 ABCD の辺 AD、BC の中点をそれぞれ M、N とするとき、四角形 MBND が平行四辺形であることを証明しなさい。

解答

【仮定】 平行四辺形 ABCD、M は AD の中点、N は BC の中点 【結論】 四角形 MBND は平行四辺形

(証明)

平行四辺形 ABCD より

\[ AD \parallel BC, \qquad AD = BC \]

M、N はそれぞれの中点なので

\[ MD = \frac{1}{2}AD, \qquad BN = \frac{1}{2}BC \]

\(AD = BC\) より

\[ MD = BN \]

また \(AD \parallel BC\) より、その一部である

\[ MD \parallel BN \]

よって四角形 MBND は、1組の向かい合う辺が平行でその長さが等しいので、平行四辺形である。

(証明終わり)


この単元のまとめ

  • 二等辺三角形:底角が等しい。逆に2角が等しければ二等辺三角形
  • 直角三角形の合同条件には、必ず斜辺が入る
  • 平行四辺形の性質3つ(辺・角・対角線)と、なる条件5つ
  • 条件5「1組が平行かつ等しい」が最もよく使う
  • 長方形は対角線の長さが等しく、ひし形は対角線が垂直
  • 平行線の間では、底辺が同じ三角形の面積は等しい

2年生の図形の単元


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