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比例・反比例の式の決定


比例とは何か

身近な例で考える

1本 \(80\) 円のジュースを \(x\) 本買う。合計金額 \(y\) 円はどうなるか。

\(x\)(本) 1 2 3 4 5
\(y\)(円) 80 160 240 320 400

\(x\) が 2倍になると \(y\) も 2倍、\(x\) が 3倍になると \(y\) も 3倍…

比例の定義

\(x\)\(n\) 倍になると \(y\)\(n\) 倍になる関係を「\(y\)\(x\) に比例する」という。

このとき必ず次の式で表せる:

\[ y = ax \quad \text{($a$ は 0 でない定数、比例定数という)} \]

比例の確認方法: \(\dfrac{y}{x}\) が常に一定(\(= a\))かどうかを調べる。

\[ \frac{y}{x} = a \text{(一定)} \iff y \text{ は } x \text{ に比例} \]

反比例とは何か

身近な例で考える

面積が \(24\) cm² の長方形で、縦の長さ \(x\) cm と横の長さ \(y\) cm の関係。

\(x\)(cm) 1 2 3 4 6 8 12 24
\(y\)(cm) 24 12 8 6 4 3 2 1

\(x\) が 2倍になると \(y\)\(\dfrac{1}{2}\) 倍に、\(x\) が 3倍になると \(y\)\(\dfrac{1}{3}\) 倍に…

反比例の定義

\(x\)\(n\) 倍になると \(y\)\(\dfrac{1}{n}\) 倍になる関係を「\(y\)\(x\) に反比例する」という。

このとき必ず次の式で表せる:

\[ y = \frac{a}{x} \quad \text{($a$ は 0 でない定数、比例定数という)} \]

反比例の確認方法: \(x \times y\) が常に一定(\(= a\))かどうかを調べる。

\[ x \times y = a \text{(一定)} \iff y \text{ は } x \text{ に反比例} \]

比例か・反比例か・どちらでもないかの判断

判断の手順

  1. \(\dfrac{y}{x}\) が一定 → 比例\(y = ax\) の形)
  2. \(x \times y\) が一定 → 反比例\(y = \dfrac{a}{x}\) の形)
  3. どちらも一定でない → 比例でも反比例でもない

比例の式の決定

基本手順

\(y\)\(x\) に比例する」とわかったとき、\(y = ax\) とおいて、与えられた点(\(x\)\(y\) の値の組)を代入し、\(a\) を求める。

\[ y = ax \quad \xrightarrow{\text{1組の値を代入}} \quad a = \frac{y}{x} \]

反比例の式の決定

\(y\)\(x\) に反比例する」とわかったとき、\(y = \dfrac{a}{x}\) とおいて代入する。

\[ y = \frac{a}{x} \quad \xrightarrow{\text{1組の値を代入}} \quad a = x \times y \]

グラフの特徴

比例のグラフ

\(y = ax\) のグラフは原点を通る直線

比例のグラフのポイント

  • 必ず原点(\(0, 0\))を通る
  • \(a > 0\) → 右上がりの直線
  • \(a < 0\) → 右下がりの直線
  • \(a\) の絶対値が大きいほど傾きが急

反比例のグラフ

\(y = \dfrac{a}{x}\) のグラフは双曲線(2本の曲線)。

反比例のグラフのポイント

  • 原点を通らない\(x=0\) で定義されない)
  • 2本の曲線(双曲線)になる
  • \(a > 0\) → 第1・第3象限
  • \(a < 0\) → 第2・第4象限
  • \(x\) 軸・\(y\) 軸に近づくが交わらない

例題

例題1 比例か反比例かを判断する

次の表を見て、\(y\)\(x\) に比例するか、反比例するか、どちらでもないかを答えよ。また比例・反比例であれば式を求めよ。

(1)

\(x\) 1 2 3 4
\(y\) 5 10 15 20

(2)

\(x\) 1 2 3 6
\(y\) 12 6 4 2

(3)

\(x\) 1 2 3 4
\(y\) 2 5 10 17
解答

(1) \(\dfrac{y}{x} = \dfrac{5}{1} = \dfrac{10}{2} = \dfrac{15}{3} = 5\)(一定)

比例\(y = 5x\)

(2) \(x \times y = 1\times12 = 2\times6 = 3\times4 = 6\times2 = 12\)(一定)

反比例\(y = \dfrac{12}{x}\)

(3) \(\dfrac{y}{x} = 2,\ \dfrac{5}{2},\ \dfrac{10}{3},\ \dfrac{17}{4}\)(変化)、\(xy = 2,10,30,68\)(変化)

どちらでもない


例題2 比例の式を求める(基本)

\(y\)\(x\) に比例し、\(x = 5\) のとき \(y = -20\) である。\(y\)\(x\) の式で表せ。また \(x = 3\) のときの \(y\) の値を求めよ。

解答

\(y = ax\) とおく。\(x = 5,\ y = -20\) を代入:

\[-20 = a \times 5 \implies a = -4\]

よって \(y = -4x\)

\(x = 3\) のとき:\(y = -4 \times 3 = -12\)


例題3 反比例の式を求める(基本)

\(y\)\(x\) に反比例し、\(x = -3\) のとき \(y = 8\) である。\(y\)\(x\) の式で表せ。また \(x = 6\) のときの \(y\) の値を求めよ。

解答

\(y = \dfrac{a}{x}\) とおく。\(x = -3,\ y = 8\) を代入:

\[8 = \frac{a}{-3} \implies a = 8 \times (-3) = -24\]

よって \(y = \dfrac{-24}{x}\)

\(x = 6\) のとき:\(y = \dfrac{-24}{6} = -4\)


例題4 グラフから式を決定する

下のグラフ上の点 \(P\) の座標が \((-2,\ 6)\) であるとき、比例・反比例の式を求めよ。

(1) \(y\)\(x\) に比例する

(2) \(y\)\(x\) に反比例する

解答

(1) \(y = ax\)\(x = -2,\ y = 6\) を代入:

\[6 = a \times (-2) \implies a = -3\]

\(y = -3x\)

(2) \(y = \dfrac{a}{x}\)\(x = -2,\ y = 6\) を代入:

\[6 = \frac{a}{-2} \implies a = -12\]

\(y = \dfrac{-12}{x}\)


例題5 条件が2段階の問題

\(y\)\(x\) に比例し、\(x = 2\) のとき \(y = -6\) である。\(y = 9\) のときの \(x\) の値を求めよ。

解答

\(y = ax\)\(x=2,\ y=-6\) を代入:

\[-6 = 2a \implies a = -3\]

\(y = -3x\)\(y = 9\) を代入:

\[9 = -3x \implies x = -3\]

例題6 実生活への応用(比例)

ガソリン \(1\) L で \(15\) km 走る車がある。

(1) 走れる距離 \(y\) km は、ガソリンの量 \(x\) L に比例することを確認し、式を求めよ。

(2) \(45\) km 走るのに必要なガソリンの量を求めよ。

(3) \(8\) L のガソリンで走れる距離を求めよ。

解答

(1) \(x\) L で \(15x\) km 走れるので \(y = 15x\)

\(\dfrac{y}{x} = 15\)(一定)なので比例。\(y = 15x\)

(2) \(15x = 45 \implies x = 3\) L

(3) \(y = 15 \times 8 = 120\) km


例題7 実生活への応用(反比例)

面積が \(48\) cm² の三角形の底辺 \(x\) cm と高さ \(y\) cm の関係を考える。

(1) \(y\)\(x\) に反比例することを確認し、式を求めよ。

(2) 底辺が \(8\) cm のとき、高さを求めよ。

(3) 高さが \(6\) cm のとき、底辺を求めよ。

解答

(1) 三角形の面積 \(= \dfrac{1}{2} \times x \times y = 48\)

\(xy = 96\) (一定)なので反比例。\(y = \dfrac{96}{x}\)

(2) \(y = \dfrac{96}{8} = 12\) cm

(3) \(6 = \dfrac{96}{x} \implies x = 16\) cm


練習問題

(1) 次の各場合について、\(y\)\(x\) に比例するか、反比例するか、どちらでもないかを答えよ。比例・反比例であれば \(y\)\(x\) の式で表せ。

(a)

\(x\) 1 2 4 8
\(y\) 24 12 6 3

(b)

\(x\) −2 −1 1 2
\(y\) −8 −4 4 8

(c)

\(x\) 1 2 3 4
\(y\) 3 7 13 21
解答

(a) \(xy = 24\)(一定)→ 反比例\(y = \dfrac{24}{x}\)

(b) \(\dfrac{y}{x} = 4\)(一定)→ 比例\(y = 4x\)

(c) \(\dfrac{y}{x} = 3,\ \dfrac{7}{2},\ \dfrac{13}{3},\ \dfrac{21}{4}\)(変化)、\(xy = 3,14,39,84\)(変化)→ どちらでもない


(2) \(y\)\(x\) に比例し、\(x = -4\) のとき \(y = 6\) である。

(a) \(y\)\(x\) の式で表せ。

(b) \(x = 8\) のとき \(y\) の値を求めよ。

(c) \(y = -9\) のとき \(x\) の値を求めよ。

解答

\(y = ax\)\(x=-4,\ y=6\) を代入:\(6 = -4a \implies a = -\dfrac{3}{2}\)

(a) \(y = -\dfrac{3}{2}x\)

(b) \(y = -\dfrac{3}{2} \times 8 = -12\)

(c) \(-9 = -\dfrac{3}{2}x \implies x = 6\)


(3) \(y\)\(x\) に反比例し、\(x = 6\) のとき \(y = -4\) である。

(a) \(y\)\(x\) の式で表せ。

(b) \(x = -3\) のとき \(y\) の値を求めよ。

(c) \(y = 8\) のとき \(x\) の値を求めよ。

解答

\(y = \dfrac{a}{x}\)\(x=6,\ y=-4\) を代入:\(-4 = \dfrac{a}{6} \implies a = -24\)

(a) \(y = \dfrac{-24}{x}\)

(b) \(y = \dfrac{-24}{-3} = 8\)

(c) \(8 = \dfrac{-24}{x} \implies x = -3\)


(4) 次の問いに答えよ。

グラフが点 \((3,\ -6)\) を通る。

(a) \(y\)\(x\) に比例するとして、式を求めよ。

(b) \(y\)\(x\) に反比例するとして、式を求めよ。

解答

(a) \(y = ax\) に代入:\(-6 = 3a \implies a = -2\)。 \(y = -2x\)

(b) \(y = \dfrac{a}{x}\) に代入:\(-6 = \dfrac{a}{3} \implies a = -18\)。 \(y = \dfrac{-18}{x}\)


(5) 水が \(1\) 分間に \(3\) L の割合で流れる蛇口がある。\(x\) 分間で \(y\) L の水がたまる。

(a) \(y\)\(x\) の式で表せ。

(b) \(21\) L たまるのに何分かかるか。

(c) \(10\) 分間でたまる水の量を求めよ。

解答

(a) \(y = 3x\)(比例)

(b) \(3x = 21 \implies x = 7\)

(c) \(y = 3 \times 10 = 30\) L


(6) \(60\) km の道のりをある速さで移動する。速さを \(x\) km/h、かかる時間を \(y\) 時間とする。

(a) \(y\)\(x\) の式で表せ。

(b) 時速 \(40\) km で走ると何時間かかるか。

(c) \(1.5\) 時間で着くには時速何 km で走ればよいか。

解答

\(xy = 60\) なので反比例。

(a) \(y = \dfrac{60}{x}\)

(b) \(y = \dfrac{60}{40} = 1.5\) 時間

(c) \(1.5 = \dfrac{60}{x} \implies x = 40\) km/h


(7)(発展) \(y\)\(x\) に比例し、\(x = a\) のとき \(y = b\) である。また \(y\)\(x\) に反比例し、\(x = 2\) のとき \(y = -3\) でもある(別の \(y\)\(x\) の関係)。\(ab\) の値を求めよ。

解答

反比例の式: \(y = \dfrac{k}{x}\)\(x=2,\ y=-3\) を代入:

\[k = 2 \times (-3) = -6 \quad \therefore y = \frac{-6}{x}\]

比例の式: \(y = mx\)\(x=a,\ y=b\) を代入:

\(b = ma\)\(m\) は不定)

この問題では2つの式が同じ関係を表すと考え、同じ点 \((a, b)\) が両方の式上にある:

\[b = ma \quad \text{かつ} \quad b = \frac{-6}{a}\]

よって \(ma = \dfrac{-6}{a}\) より \(ma^2 = -6\)

また \(ab = a \cdot \dfrac{-6}{a} = \mathbf{-6}\)


まとめ

比例・反比例の式の決定まとめ

比例 反比例
定義 \(x\)\(n\) 倍 → \(y\)\(n\) \(x\)\(n\) 倍 → \(y\)\(\frac{1}{n}\)
\(y = ax\) \(y = \dfrac{a}{x}\)
確認 \(\dfrac{y}{x}\) が一定 \(x \times y\) が一定
グラフ 原点を通る直線 原点を通らない双曲線
式の決定 \(y = ax\)\(1\) 組の値を代入して \(a\) を求める \(y = \dfrac{a}{x}\)\(1\) 組の値を代入して \(a\) を求める

よくある間違い

  • \(a\) の符号のミス\(x=-3,\ y=6\) のとき \(a = -3 \times 6 = -18\)(反比例)を \(+18\) にしてしまう
  • 比例と反比例の確認を逆にする\(\dfrac{y}{x}\) は比例、\(xy\) は反比例で確認
  • \(x=0\) を代入しようとする:反比例 \(y = \dfrac{a}{x}\)\(x = 0\) で定義されない
  • グラフが通る点を 1 点だけ確認して終わりにする:式が決まったら別の点でも確認する