座標・比例のグラフ¶
座標とは何か¶
平面上の点の位置を表す¶
地図では「東に3ブロック、北に2ブロック」のように位置を表す。数学では2つの数の組で平面上の点の位置を表す。
座標の表し方
平面上の点 \(\text{P}\) の位置は \(\text{P}(x, y)\) と表す。
- \(x\) 座標(横):\(x\) 軸方向の位置。右が正、左が負。
- \(y\) 座標(縦):\(y\) 軸方向の位置。上が正、下が負。
- 原点:\(x\) 軸と \(y\) 軸の交点 \(\text{O}(0, 0)\)
数直線から平面座標へ¶
x軸・y軸とは¶
4つの象限
\(x\) 軸と \(y\) 軸により平面は4つの領域(象限)に分かれる。
| 象限 | \(x\) の符号 | \(y\) の符号 | 例 |
|---|---|---|---|
| 第1象限 | \(+\) | \(+\) | \((3, 2)\) |
| 第2象限 | \(-\) | \(+\) | \((-2, 3)\) |
| 第3象限 | \(-\) | \(-\) | \((-3, -2)\) |
| 第4象限 | \(+\) | \(-\) | \((2, -3)\) |
軸上の点(\(x=0\) や \(y=0\))はどの象限にも属さない。
点を座標平面上に打つ方法¶
手順を覚えよう¶
点 \(\text{P}(4, -3)\) を打つ手順:
点を打つ3ステップ
ステップ① \(x\) 座標の値の位置から、\(x\) 軸に垂直な点線を引く
ステップ② \(y\) 座標の値の位置から、\(y\) 軸に垂直な点線を引く
ステップ③ 2本の点線の交点に点を打つ
よくある間違い
- \((x, y)\) の順番を逆に読んでしまう(\(x\) が横、\(y\) が縦)
- 負の座標のとき、逆方向に打ってしまう
比例のグラフを書く手順¶
\(y = 2x\) のグラフを書いてみよう¶
比例 \(y = ax\) のグラフは原点を通る直線になる。直線は「2点を決めれば引ける」。
STEP 1:表を作る¶
\(y = 2x\) に \(x\) の値を代入して \(y\) を求める。
| \(x\) | \(\cdots\) | \(-2\) | \(-1\) | \(0\) | \(1\) | \(2\) | \(\cdots\) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| \(y\) | \(\cdots\) | \(-4\) | \(-2\) | \(0\) | \(2\) | \(4\) | \(\cdots\) |
STEP 2:点を座標平面上に打つ¶
表から得た点 \((-2,-4),\ (-1,-2),\ (0,0),\ (1,2),\ (2,4)\) を打つ。
STEP 3:点を直線で結ぶ¶
打った点を通るようにまっすぐな直線を引く(端まで伸ばす)。
直線を引くコツ
比例のグラフは原点(0, 0)を必ず通る。
原点ともう1点(例えば \((1, a)\))の2点を決めれば直線が引ける。
- \(y = 2x\) → 原点と \((1, 2)\) を結ぶ
- \(y = -3x\) → 原点と \((1, -3)\) を結ぶ
比例定数 \(a\) とグラフの形¶
\(a\) の値による違い¶
比例定数 \(a\) の大小と傾き
- \(a > 0\)(正)→ 右上がりの直線
- \(a < 0\)(負)→ 右下がりの直線
- \(a\) の絶対値が大きいほど傾きが急になる
- \(a\) の絶対値が小さいほど(\(0\) に近いほど)傾きがなだらか
どんな \(a\) でも必ず原点 \(\text{O}(0, 0)\) を通る。
比例のグラフの書き方まとめ¶
実際に \(y = -\dfrac{3}{2}x\) のグラフを書く¶
分数の比例定数でも手順は同じ。整数の座標になる点を選ぶのがコツ。
STEP 1:\(x = 2\) のとき \(y = -\dfrac{3}{2} \times 2 = -3\) → 点 \((2, -3)\)
STEP 2:原点 \((0, 0)\) と点 \((2, -3)\) を座標平面上に打つ
STEP 3:2点を通る直線を引く(両端まで伸ばす)
分数の比例定数のとき
\(y = \dfrac{p}{q}x\) の形のとき、\(x = q\)(分母)を代入すると \(y = p\)(分子)になり、整数の座標が得られる。
例:\(y = -\dfrac{3}{2}x\) → \(x = 2\) を代入 → \(y = -3\) → 点 \((2, -3)\)
グラフから式を読み取る¶
グラフが与えられた場合は、グラフが通る点を読み取って式を求める。
手順¶
① グラフ上の点の座標 \((x, y)\) を読み取る(原点以外の整数座標)
② \(y = ax\) に代入して \(a\) を求める
③ 式を完成させる
変域とグラフ¶
変域とは¶
\(x\) のとりうる値の範囲を変域という。変域があるとき、グラフは直線の一部(線分)になる。
変域の記号
- \(a \leq x \leq b\):\(x\) は \(a\) 以上 \(b\) 以下(端点を含む)→ 端点に●
- \(a < x < b\):\(x\) は \(a\) より大きく \(b\) より小さい(端点を含まない)→ 端点に○
\(y = 2x\)(\(-2 \leq x \leq 3\))のグラフ¶
\(x = -2\) のとき \(y = 2 \times (-2) = -4\) → 点 \((-2, -4)\)
\(x = 3\) のとき \(y = 2 \times 3 = 6\) → 点 \((3, 6)\)
この2点を結んだ線分が答え。
\(y\) の変域も求められる
\(x\) の変域 \(-2 \leq x \leq 3\) のとき、\(y = 2x\) の変域:
\(x = -2\):\(y = -4\)(最小値)、\(x = 3\):\(y = 6\)(最大値)
例題¶
例題1 点を打つ¶
次の各点を座標平面に打て。
\(\text{A}(3, 4),\quad \text{B}(-2, 1),\quad \text{C}(-3, -3),\quad \text{D}(4, -2),\quad \text{E}(0, 3),\quad \text{F}(-4, 0)\)
解答
E は \(y\) 軸上、F は \(x\) 軸上にある(どの象限にも属さない)。
例題2 グラフを書く(正の比例定数)¶
\(y = 3x\) のグラフを書け。
解答
STEP 1:表を作る
| \(x\) | \(-2\) | \(-1\) | \(0\) | \(1\) | \(2\) |
|---|---|---|---|---|---|
| \(y\) | \(-6\) | \(-3\) | \(0\) | \(3\) | \(6\) |
STEP 2・3:点を打って直線を引く
原点と \((1, 3)\) を結ぶ右上がりの直線。
例題3 グラフを書く(負の比例定数)¶
\(y = -\dfrac{1}{2}x\) のグラフを書け。
解答
分数なので \(x = 2\) を代入:\(y = -\dfrac{1}{2} \times 2 = -1\) → 点 \((2, -1)\)
原点 \((0, 0)\) と \((2, -1)\) を結ぶ直線を引く。
右下がりのなだらかな直線。
例題4 グラフから式を求める¶
次のグラフは比例 \(y = ax\) のグラフである。\(a\) の値と式を求めよ。
グラフが点 \((4, -6)\) を通っている。
解答
\(y = ax\) に \(x = 4,\ y = -6\) を代入:
例題5 変域のあるグラフ¶
\(y = -2x\)(\(-1 \leq x \leq 3\))のグラフを書き、\(y\) の変域も求めよ。
解答
端点の座標を求める:
- \(x = -1\) のとき:\(y = -2 \times (-1) = 2\) → 点 \((-1, 2)\)
- \(x = 3\) のとき:\(y = -2 \times 3 = -6\) → 点 \((3, -6)\)
\(y\) の変域:\(x = -1\) で \(y = 2\)(最大)、\(x = 3\) で \(y = -6\)(最小)
例題6 \(y\) の変域から \(x\) の変域を求める¶
\(y = 3x\) のグラフで、\(y\) の変域が \(-9 \leq y \leq 6\) のとき、\(x\) の変域を求めよ。
解答
\(y = 3x\) より \(x = \dfrac{y}{3}\)
- \(y = -9\) のとき:\(x = \dfrac{-9}{3} = -3\)
- \(y = 6\) のとき:\(x = \dfrac{6}{3} = 2\)
練習問題¶
(1) 次の各点を座標平面上に打ち、それぞれ何象限にあるか答えよ。
\(\text{A}(2, 5)\) \(\text{B}(-3, 4)\) \(\text{C}(-1, -2)\) \(\text{D}(5, -1)\) \(\text{E}(0, -4)\)
解答
- A\((2, 5)\):第1象限
- B\((-3, 4)\):第2象限
- C\((-1, -2)\):第3象限
- D\((5, -1)\):第4象限
- E\((0, -4)\):\(y\) 軸上(どの象限にも属さない)
(2) 次の比例のグラフを書け。
(a) \(y = 4x\) (b) \(y = -3x\) (c) \(y = \dfrac{2}{3}x\) (d) \(y = -\dfrac{5}{2}x\)
解答
各グラフで使う点(原点ともう1点):
(a) \(y = 4x\):原点と \((1, 4)\) → 右上がり(急)
(b) \(y = -3x\):原点と \((1, -3)\) → 右下がり(急)
(c) \(y = \dfrac{2}{3}x\):\(x = 3\) を代入 → \(y = 2\)。原点と \((3, 2)\) → 右上がり(なだらか)
(d) \(y = -\dfrac{5}{2}x\):\(x = 2\) を代入 → \(y = -5\)。原点と \((2, -5)\) → 右下がり(急)
(3) 比例のグラフが次の点を通るとき、\(y\) を \(x\) の式で表せ。
(a) \((2, 6)\) (b) \((-3, 9)\) (c) \((4, -10)\) (d) \(\left(-2, \dfrac{1}{3}\right)\)
解答
(a) \(6 = 2a\) → \(a = 3\)。 \(y = 3x\)
(b) \(9 = -3a\) → \(a = -3\)。 \(y = -3x\)
(c) \(-10 = 4a\) → \(a = -\dfrac{10}{4} = -\dfrac{5}{2}\)。 \(y = -\dfrac{5}{2}x\)
(d) \(\dfrac{1}{3} = -2a\) → \(a = -\dfrac{1}{6}\)。 \(y = -\dfrac{1}{6}x\)
(4) 次のグラフについて答えよ。
\(y = 5x\)(\(-3 \leq x \leq 2\))
(a) グラフを書け(線分で表すこと)
(b) \(y\) の変域を求めよ
解答
(a) 端点の座標:
- \(x = -3\):\(y = 5 \times (-3) = -15\) → \((-3, -15)\)
- \(x = 2\):\(y = 5 \times 2 = 10\) → \((2, 10)\)
この2点を結ぶ線分。
(b) \(x = -3\) で \(y = -15\)(最小)、\(x = 2\) で \(y = 10\)(最大)
(5) \(y = -4x\) のグラフで、\(y\) の変域が \(-8 \leq y \leq 12\) のとき、\(x\) の変域を求めよ。
解答
\(y = -4x\) より \(x = -\dfrac{y}{4}\)
- \(y = -8\) のとき:\(x = -\dfrac{-8}{4} = 2\)
- \(y = 12\) のとき:\(x = -\dfrac{12}{4} = -3\)
\(a < 0\) なので \(x\) と \(y\) の大小が逆になることに注意:
(6) 次の2直線の交点の座標を求めよ。
\(y = 2x\) と \(y = -3x\)
解答
両方が原点 \((0, 0)\) を通る比例のグラフ。
交点では \(2x = -3x\) が成り立つ:
\(x = 0\) のとき \(y = 0\)
交点は \((0, 0)\)(原点)。
(比例のグラフはすべて原点を通るため、2本の比例グラフの交点は常に原点)
(7)(発展) 比例のグラフ \(y = ax\) が、点 \((3, b)\) と点 \((b, 12)\) の両方を通るとき、\(a\) と \(b\) の値を求めよ。
解答
点 \((3, b)\) が \(y = ax\) 上にあるので:\(b = 3a\) …①
点 \((b, 12)\) が \(y = ax\) 上にあるので:\(12 = ab\) …②
①を②に代入:\(12 = a \cdot 3a = 3a^2\)
\(a = 2\) のとき:①より \(b = 6\)。確認:点 \((6, 12)\) → \(2 \times 6 = 12\) ✓
\(a = -2\) のとき:①より \(b = -6\)。確認:点 \((-6, 12)\) → \(-2 \times (-6) = 12\) ✓
よって \((a, b) = (2, 6)\) または \((a, b) = (-2, -6)\)
まとめ¶
座標・比例グラフのまとめ
座標の基本
- 点 \(\text{P}(x, y)\):\(x\) が横(右が正)、\(y\) が縦(上が正)
- 原点 \(\text{O}(0, 0)\):2軸の交点
- 4象限:右上(+,+)→第1、左上(-,+)→第2、左下(-,-)→第3、右下(+,-)→第4
比例グラフの書き方(3ステップ)
- 表を作って点の座標を求める
- 座標平面に点を打つ
- 点を通る直線を引く(端まで伸ばす)
グラフの特徴
- 必ず原点を通る直線
- \(a > 0\) → 右上がり、\(a < 0\) → 右下がり
- 分数の \(a\) → 分母を \(x\) に代入すると整数の点が得られる
変域があるとき
- 端点の \(y\) 座標を求め、線分でグラフを書く
- \(y\) の変域は端点の \(y\) 座標の小さい方から大きい方
よくある間違い
- \((x, y)\) の順番を逆に読む(\(x\) が先で横、\(y\) が後で縦)
- 比例のグラフを原点から書かずに、中途半端な位置に書いてしまう
- 変域があるとき、直線(矢印付き)で書いてしまう(正しくは線分)
- \(a < 0\) のとき、\(x\) が増えると \(y\) の変域の最大・最小が逆になることを忘れる