正負の数と指数(累乗)¶
指数とは?¶
同じ数を何回もかけるとき、何回かけるかを小さな数字で表すのが指数のアイデア。
この式の \(2\) を底(てい)、\(4\) を指数という。そして \(2^4\) のことを「\(2\) の \(4\) 乗」と読む。
累乗の読み方・書き方
| 式 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| \(2^1\) | 2の1乗 | \(2\) |
| \(2^2\) | 2の2乗(2の平方) | \(2 \times 2 = 4\) |
| \(2^3\) | 2の3乗(2の立方) | \(2 \times 2 \times 2 = 8\) |
| \(2^4\) | 2の4乗 | \(2 \times 2 \times 2 \times 2 = 16\) |
| \(a^n\) | \(a\) の \(n\) 乗 | \(a\) を \(n\) 回かけた数 |
正の数の累乗¶
正の数を何乗しても、答えは必ず正の数になる。
負の数の累乗(ここが重要!)¶
負の数を累乗すると、指数(乗数)が偶数か奇数かで符号が変わる。
これが正負の数の累乗でいちばん大切なポイント。
なぜ符号が変わるのか?¶
「\(- \times -\)」は正になるルールを順番に追っていくと、次のように理解できる。
負の数の累乗の符号ルール
覚え方: 偶数乗 → プラス、奇数乗 → マイナス
カッコありとカッコなし:ここが最大の落とし穴¶
中学1年生が最もよく間違えるポイントがここ。 カッコがあるかどうかで、意味がまったく違う。
カッコの有無で意味が変わる
| 式 | 意味 | 答え |
|---|---|---|
| \((-3)^2\) | \(-3\) 全体を2乗 | \((-3)\times(-3) = +9\) |
| \(-3^2\) | \(3\) だけを2乗して、後から \(-\) をつける | \(-(3\times3) = -9\) |
| \((-2)^3\) | \(-2\) 全体を3乗 | \((-2)\times(-2)\times(-2) = -8\) |
| \(-2^3\) | \(2\) だけを3乗して、後から \(-\) をつける | \(-(2\times2\times2) = -8\) |
※ 3乗の場合は偶然同じになることもあるが、意味は異なる。
累乗を含む計算の順序¶
四則計算(足す・引く・かける・割る)に累乗が入ったとき、累乗を一番先に計算する。
カッコがあればカッコの中を最初に計算する。
計算の優先順位
- カッコの中
- 累乗
- かけ算・割り算
- 足し算・引き算
計算例¶
例題¶
例題1 累乗の基本¶
次の累乗の値を求めよ。
(1) \(4^3\) (2) \((-5)^2\) (3) \((-2)^4\) (4) \((-1)^7\)
解答
(1) \(4^3 = 4 \times 4 \times 4 = 64\)
(2) \((-5)^2 = (-5) \times (-5) = +25\)(負が2個 → 正)
(3) \((-2)^4 = (-2)\times(-2)\times(-2)\times(-2) = +16\)(負が4個 → 正)
(4) \((-1)^7 = -1\)(負が7個=奇数個 → 負、かつ \(1\) の何乗も絶対値は \(1\))
例題2 カッコありとカッコなし¶
次の計算をせよ。
(1) \((-4)^2\) (2) \(-4^2\) (3) \((-3)^3\) (4) \(-3^3\)
解答
(1) \((-4)^2\):\(-4\) 全体を2乗
(2) \(-4^2\):\(4\) だけ2乗してから \(-\) をつける
(3) \((-3)^3\):\(-3\) 全体を3乗(負が奇数個 → 負)
(4) \(-3^3\):\(3\) だけ3乗してから \(-\) をつける
確認
(3) と (4) は結果が同じになったが、意味は異なる。奇数乗のときは偶然一致することに注意。
例題3 累乗を含む四則計算¶
次の計算をせよ。
(1) \((-3)^2 + 5\)
(2) \(4 - (-2)^3\)
(3) \((-2)^2 \times (-3)\)
(4) \(6 \div (-3)^2\)
解答
(1) 累乗を先に
(2) 累乗を先に \((-2)^3 = -8\)
(3) 累乗を先に \((-2)^2 = 4\)
(4) 累乗を先に \((-3)^2 = 9\)
例題4 複数の累乗を含む計算¶
次の計算をせよ。
(1) \((-2)^3 + (-3)^2\)
(2) \((-1)^{10} - (-1)^{11}\)
(3) \((-2)^2 \times 3 - 4 \div (-2)^2\)
解答
(1) それぞれ累乗を先に計算する
(2) \((-1)^{10}\):偶数乗なので \(+1\)、\((-1)^{11}\):奇数乗なので \(-1\)
(3) 累乗 → かけ割り → 足し引き の順
例題5 文章題¶
気温が \(-3\) ℃の日が4日続いたとき、4日間の気温の和を次のように表した。
これとは別に、「\(-3\) ℃」から毎日 \(2\) ℃ずつ下がったとき、\((-3)^2\) が意味を持つか考えてみよう。
問: \((-3)^2\) と \((-3) \times 2\) の値をそれぞれ求め、違いを説明せよ。
解答
違い:\((-3)^2\) は \(-3\) を2回かけたもの(\(-3 \times -3\))で結果は正の数。 \((-3) \times 2\) は \(-3\) を2倍した(\(-3 + (-3)\))もので結果は負の数。
「乗数(何回かける)」と「倍数(何倍するか)」は意味が異なる。
練習問題¶
(1) 次の累乗を計算せよ。
解答
(a) \(3^4 = 3\times3\times3\times3 = 81\)
(b) \((-4)^2 = 16\)(偶数乗 → 正)
(c) \((-2)^5 = -32\)(奇数乗 → 負、\(2^5=32\))
(d) \((-1)^{100} = +1\)(\(100\) は偶数 → 正)
(2) 次の値を求めよ。
解答
(a) \((-6)^2 = 36\)
(b) \(-6^2 = -36\)
(c) \((-5)^2 = 25\)
(d) \(-5^2 = -25\)
確認
(a)(b) は符号が違うだけで絶対値は同じ。カッコの有無が符号を決める。
(3) 次の計算をせよ。
解答
(a) \((-3)^2 - 5 = 9 - 5 = 4\)
(b) \(1 - (-2)^4 = 1 - 16 = -15\)
(c) \((-5)^2 \div (-5) = 25 \div (-5) = -5\)
(4) 次の四則混合計算をせよ。
解答
(a) 累乗を先に \((-2)^3 = -8\)
(b) 累乗を先に \((-3)^2 = 9\)、\((-1)^4 = 1\)
(5) 次の式の \(\square\) に入る数を求めよ。
解答
(a) \(7^2=49\) より \(\square = 7\)(または \((-7)^2=49\) より \(\square = -7\) も可)
(b) \((-3)^3 = -27\) より \(\square = 3\)
(c) \((-2)^4 = 16\) より \(\square = 4\)
(6)(発展) 次の問いに答えよ。
\((-2)^1,\ (-2)^2,\ (-2)^3,\ (-2)^4,\ (-2)^5\) の値をそれぞれ求め、指数が1ずつ増えたとき、値がどのように変化するか説明せよ。
解答
変化のパターン
- 符号が \(-,\ +,\ -,\ +,\ -,\ \ldots\) と交互に変わる
- 絶対値は \(2,\ 4,\ 8,\ 16,\ 32,\ \ldots\) と2倍ずつ増える(\(\times 2\) ずつ)
- 指数が1増えるたびに \(\times(-2)\) しているので、「符号が逆になりながら2倍」になる
まとめ¶
正負の数と指数のポイント
| 内容 | ポイント |
|---|---|
| 指数の意味 | 同じ数を繰り返しかける回数を表す小さな数字 |
| 正の数の累乗 | 何乗しても必ず 正(+) |
| 負の数の偶数乗 | 結果は正(+) |
| 負の数の奇数乗 | 結果は負(−) |
| カッコあり \((-a)^n\) | \(-a\) 全体を \(n\) 乗する |
| カッコなし \(-a^n\) | \(a\) だけ \(n\) 乗して、後から \(-\) をつける |
| 計算の順序 | カッコ → 累乗 → かけ割り → 足し引き |
特に注意!
カッコがあるかどうかを必ず確認しよう。